グリーンボンドに関するQ&A

Q.グリーンボンドのメリットは?

A.グリーンボンドを発行する側のメリットは「企業・自治体のイメージアップにつながる」「環境問題への意識が高い投資家から資金調達できる」といった点だ。特に日本は、現在官民一体となって2050年温室効果ガスの排出を実質ゼロにする国家戦略を推進しているため、企業・自治体の環境への取り組みは好意的に受け止められるだろう。

また新規事業者など金融機関から希望の融資を受けづらい場合でもグリーンボンドを発行することで、より好条件で資金調達できる可能性がある。

一方、グリーンボンドに投資する側のメリットは「投資家自身のイメージアップ」「分散投資によるリスクヘッジができる」といった点だ。グリーンボンドは、利益追求型の企業への投資に比べて価格変動性が低いため、長期投資向きの投資先として有効な選択肢となる。

Q.グリーンボンドのデメリットは?

A.グリーンボンドを発行する側のデメリットは「調達した資金が環境分野にしか利用できない」「外部レビューなどに必要な手数料がかかる」といった点にある。調達した資金は、環境分野にしか利用できないため、環境分野に取り組んでいない企業や中小企業は、グリーンボンドの発行自体が難しい。

グリーンボンドに投資する側のデメリットは「投資先の事業に環境改善効果がないこともありえる」「投資先の資金使途が不適切となるリスクがある」といった点だ。またグリーンボンドの利回り(年間利益)が普通債よりも低くなるグリーニアム現象が発生する可能性もデメリットといえる。

Q.SDGs債のデメリットは?

A.SDGs債(ESG債)に投資する側のデメリットは、価格流動性が低いため短期的なリターンが獲得しにくい点にある。そのため短期的なリターンを得るために投資したい場合は、別の投資先を検討することが必要だ。

Q.グリーンボンドの発行者はどこ?

A.グリーンボンドの主な発行者は以下の3つだ。

  1. グリーンプロジェクトに対する投資・融資の原資を調達する一般事業者
  2. 自身が実施するグリーンプロジェクトの原資を調達する金融機関
  3. グリーンプロジェクトに関する原資を調達する地方自治体

一般事業者は、グリーンプロジェクトのみを行うSPC(Special Purpose Company:特別目的会社)を含む。

Q.グリーニアム現象とは何?

A.グリーンボンドの利回り(年間利益)が普通債よりも低くなる現象のことをグリーニアム現象と呼ぶ。投資家にとっては、普通債へ投資するよりも資金効率が悪くなる点がデメリットだ。しかし欧州では、地球環境を保護できるという達成感が損失を埋めているため、グリーンボンドの人気は衰えを見せていない。

日本でもグリーニアム現象は起こりつつあるが、欧州と同様にグリーンボンドへの投資熱は高まっている。

Q.グリーンボンドの購入方法を知りたい

A.「ESG債情報プラットフォーム(JPX)」といったサイトなどで公募されているグリーンボンドを探し、各グリーンボンドの募集要項を確認して購入手続きを進める。

参考:ESG債情報プラットフォーム(JPX)

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