本記事は、佐藤敦規の著書『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

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(画像=PIXTA)

国の支援をフル活用しよう

副業によって「地味に稼ぐ」ことをおすすめしますが、副業は成果が出るまでに時間がかかります。スキルアップのために、さらにお金がかかるケースもあります。そこでお伝えするのは、できるだけ出費を抑えるために最も効果的な方法です。それは、届出・申請をすればもらえるお金を逃さないようにすることです。

じつは国の支援は手厚い

ビジネスパーソンであれば、普段、給与明細を見て、「税金って、なんでこんなに高いんだろう……」と頭を抱えていることでしょう。じつは、たくさん税金を払っている代わりに、いざとなったら助けてくれる支援や保障を、国や自治体は用意してくれています

たとえば、資格取得のためにスクールに通う費用が半額になったりします。1円でも安い商品を求めて遠くにあるスーパーに足を運んだり、ポイ活をしたりするより、タイムパフォーマンスがよいでしょう。

ほかにも両親が住む実家をバリアフリーに改修したり、住まなくなって空き家になってしまった家屋を解体したりする費用の助成も用意されています。

こうした制度を利用することで、お金をもらえたり、負担を最小限に抑えたりできます。せっかく税金を払っているのですから、フル活用しない手はありません。

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お得な制度は、誰も教えてくれない

ただし国の助成制度は、企業の商品やサービスとは異なり、積極的に告知されません。学校や職場でも教えてくれないでしょう。病気の治療や介護で自己破産してしまったという話を聞くと、高額療養費や介護保険の制度を利用できなかったのかと暗澹たる思いになります。実際には重病と宣告されたりすると目の前が真っ暗になってしまい、調べる気力も湧かないのかもしれません。そのため、普段から「こんな制度がある」ということだけでも頭の片隅に入れておく必要があります

最近では病院や会社も積極的に高額療養費や育児休業などの制度を案内してくれるようになったので、以前のように利用しそびれる人は減っているかもしれせん。それでも私が社労士として仕事をしていて感じるのは、教育訓練などの助成制度が積極的に利用されていない残念な現状です。せっかく学び直しのために思い立って資格取得スクールに通い始めても、費用面の問題で通うのをあきらめてしまう人も多いのです。

ここでは、目的別に届出または申請によってもらえるお金を紹介します。

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ただし、お金稼ぎを目的にしてはいけない

こういった制度を目的に合わせて活用するのはよいのですが、お金をもらうのを目的とするのは本末転倒です。例えば、人口減少を解消するため、移住してきた人にお金を支給する自治体があります。その地域に住みたい、こんな仕事をしたいなど明確なビジョンがあって移住するのであればよいのですが、助成金ほしさに移住すると「こんな不便な所に住めない」と後悔しかねません。あくまで、必要な出費をまかなうためのものととらえてください。

じつはそれほど申請は難しくない

こうした助成制度の話をすると、「お得なのはわかったけど、申請にとても手間ひまがかかるのでは?」と懸念される方も多いかと思われます。実際、法人が助成金や補助金を申請する場合は、大量の書類を用意しなければなりません。法人関連の助成金・補助金は、1社あたりの金額が100万円を超えるなど高額になるものも多く、また不正な申請もないとは言えないため、審査が厳しくなる傾向があります。

それに対して、個人が申請する場合はそこまで厳しくはなく、書類の作成方法なども窓口で教えてもらえるため、手に負えないものではないと思われます

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リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方
佐藤敦規(さとう・あつのり)
社会保険労務士。中央大学仏文科卒後、印刷会社に勤務。40代まではお金に対する知識はゼロ。株式投資を始めるがリーマンショックで約100万円損してしまう。お金についての知識を持つ必要性を痛感し、社会保険労務士試験の勉強を始める。合格後は、生命保険や年金についての正しい知識を持ってもらおうと三井住友海上あいおい生命保険のセールスパーソンに転職。現在は社会保険労務士法人に勤務。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。お金の知識を活かして、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「THE21」などの週刊誌やウェブメディアの記事も執筆している。著書に『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(クロスメディア・パブリッシング)『「働き方改革」対応・助成金 実務のポイント』(同友館)などがある。

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