本記事は、佐藤敦規の著書『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています
スキルアップのためにもらえるお金
地味だけどいちばん確実にお金が増える方法、それは収入を増やすことだとお伝えしました。そのための方法として副業を紹介しましたが、昇進や転職、どんな形であれ、学習したり資格を取得したりするなどのスキルアップは必要です。「独学」がブームになっているように、年功序列制度が崩壊しつつあるいま、いくつになっても学び続ける姿勢は重要です。
社内スキルだけでは生き残れない
とはいえ、学習や資格という言葉に対して拒絶反応がある人や、「知識よりも実務やコミュニケーション能力のほうが大切だ」といった反対意見を唱える人もいるでしょう。中年から資格を取った私の体験をまとめた前著『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』にも、「中年のおじさんが今さら士業の資格を取ったところで仕事はない」という声は多数寄せられました。
たしかに、自分が現在行っている仕事が将来にも不変的に求められるものであり、そこでの実務レベルをひたすら高めて唯一無二の存在になれるのであれば、問題はないでしょう。しかしいまは、変化が当たり前の時代です。社内の実務スキルを高めていっても、その業務や、もしくは企業自体が消滅する可能性は十分にあります。だからこそ、企業に命じられた業務をこなし、その会社だけで通用するスキルを磨くよりも、資格を取得するなど、汎用性の高いスキルアップを目指すことが重要であり、そのほうが収入アップにつながる可能性が高まります。
スキルアップを支援する「教育訓練給付制度」を活用する
ビジネスパーソンが資格取得を目的としたスクールに通う場合、費用を助成してくれる「教育訓練給付制度」があります。英会話、プログラミングなど、今日のビジネスで不可欠なスキルも対象となっています。また教育訓練給付制度は、フリーランスになった人でも、雇用保険の被保険者でなくなってから1年以内であれば利用できます。スキルアップや資格の必要性を感じている人は利用してみるとよいでしょう。教育訓練給付金には3種類あります。以下、それぞれの内容と利用方法を紹介します。
20%オフになる「一般教育訓練給付金」をもらう
一般教育訓練給付金は、雇用保険に1年以上加入している人が対象となります。入学金や受講料といった費用の20%が給付金として支給されます。例えば20万円の講座を受講した場合なら、4万円の給付金が支給されます。ただし、給付金の上限は10万円となります。また、給付金の額が4,000円を超えない場合は支給されません。くわえて、受講期間が1年を超える場合は、1年を超える部分の受講料は対象になりません。簿記など の資格取得だけでなく、英会話などの講座も対象となります。
40%オフになる「特定一般教育訓練給付金」をもらう
特定一般教育訓練給付金は、一般教育訓練の助成額の2倍、つまり受講のために支払った費用の40%(上限20万円)が支給されます。資格がないと業務を行えない介護関係の講座や、IT系の講座が対象です。受給のために必要な雇用保険加入期間も一般教育訓練給付金と同じ3年以上(初回の場合は1年以上)です。
最大70%オフになる「専門実践教育訓練給付金」をもらう
専門実践教育訓練給付金は、看護師、介護福祉士、保育士、建築士といった専門職に就くための学校に通学する際、受講料の5割が補助される制度です(年間上限40万円)。専門実践教育訓練の修了後1年以内に、目標として設定した資格を取得し、雇用保険の被保険者となる就職をした場合は、教育訓練経費の70%(年間上限56万円)で再計算し、すでに支給された分の差額が追加支給されます。
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