この記事は2022年5月17日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年5月17日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
小林芳彦 1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年5月17日。現在、米国債の利回りがどちらに動くかによって、毎晩のように米ドル/円が振らされている状況だ。米10年債は、大きく見て、3.2%に行くのか、2.7%に行くのかをマーケットは注目している。
米ドル/円の方向としては、まだ上だと思っているが、131円付近で重くなってしまったので、しばらくは上値の重い展開が続きそうだ。
ただし米国債が2.7%を割ってさらに低下するようであれば米ドル/円も下落するだろうが、127円が割れた場合でも、急落する可能性はあるものの、それでも125円付近では止まると考えている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは127.5~130.8円。現在はこのレンジ内で下値を固めている最中だと考えている。
戦略的には買い場探し。現状だと128~128.5円で1つの買い場探しをして、127円台後半があればそこも買ってみたい。しかし、127.5円を割った場合には一度手仕舞って127円を割るかどうかを見極めてから、改めて買いたい。
あとは上昇した段階で131円台などでは確実に利食っておかないと、また米債の反落伴った下落が考えられるため、こまめに利益を確定していくことが重要だろう。
全体的にみるとユーロ/米ドルが怪しい水準まで下がってきており、1.034ドルを切れるとそこから下は340pipsほど大きなサポートがなく、下はスカスカ状態となっている。
よって1.03ドル台の押し目を買いたくなる気持ちはわかるが、1.034円を切ってきたら当然投げなければならないだろう。持ったままだと、急落の怖さがある。
またユーロが急落するということはドルが買われているときなので、その時は米ドル/円も上昇すると思うが、その場合は今度、ユーロ/円に関しては米ドル/円の上げよりもユーロ/米ドルの下げのほうが大きければ、ユーロ/円は下がる可能性もあるためクロス円は動きが難しくなる。
そのため今週は、ドルストレートのほうがわかりやすいだろう。ユーロ/米ドルは売り目線で臨みたい。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。