本記事は、三條公実子氏の著書『シンプルな行動で「思い通りの人生」を手に入れる33のルーティン』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

偏見,バイアス
(画像=Hyejin Kang/stock.adobe.com)

キャリアを阻む「アンコンシャス・バイアス」

アンコンシャス・バイアスとは、「ものの見方や捉え方の無意識な偏り」のことです。

アンコンシャス・バイアスが全くないのは赤ちゃんくらいで、過去の経験があればあるほど、自分なりの認知や判断を自動的に行うようになります。

それが何気ない発言や行動に現れてくるのです。

無意識なので、「認知のゆがみや偏りがある」とは自覚しにくいです。

たとえば、「定時で帰るとやる気がないと思われる」「飲み会の幹事は若手の仕事になっている」のように職場全体に起こることもあれば、「好意を持った人はすべてが良く見える」「長時間働くほど良い結果が出る」「上司は評価してくれるが、自分は優秀でないと思う」のように、個人に起こることもあります。

「職場の環境=外部環境」を変えることは難しいですが、あなたのアンコンシャス・バイアスを弱めることで、外部環境からの影響を最小限にすることは可能です。「環境は利用できる」と考えると、気が楽になると同時に行動が軽くなり、あなたの思い通りの人生の歯車になってくれることもあります。

しかし、外部からの影響を最小限にするといっても、どうしたらよいのでしょうか。

まず優先したいのは、「他人と比較しないこと」です。他人と比較する刺激がネガティブ感情を生むからです。ネガティブ感情は、アンコンシャス・バイアスを増長します。

だから、ネガティブ感情で、不安や怒りといったエネルギーを浪費しない。これが大事です。

とはいっても、つい他人と比較してしまうのが人間です。

そんな時は、「私は何をしたいんだろう?」という言葉を唱えてください。

誰かにこう思われたい(こう思われたくない)と思うのは自然なことですが、一番大事なのはあなた自身です。あなたを大事に思う人は、あなた自身が幸せになることを願っています。ですから、「あなたがやりたいことを軸に考えることは、合理的」と言っても過言ではありません。

あなたは、あなたの人生劇場の主人公であり、あなたという人生を経営する経営者です。行動の権限はあなたにあります。その上で、どうするか。

「私にはできないだろう」とつい考えてしまったら、「できるかできないか」ではなく、「やりたいかやりたくないか」で考える。

やるチャンスが目の前にあるなら、なおさらです。どういう結果になっても、次のステップに行くための「かけがえのない経験」になります。

たとえば、「若手は君しかいないから、幹事を頼む」と言われた場合。職場のアンコンシャス・バイアスな環境下にいるかもしれません。

後先考えなければ、断るのは簡単です。

一方、思い切ってこの機会を利用することもできます。

経験は、「事実+感情」です。幹事を頼まれたのが事実なら、それをポジティブに受け止めるか、ネガティブに受け止めるかで、今後の展開が変わります。

ポジティブに受け取った上で、自分の負担を減らし、「幹事をやらなかった場合よりもメリットを作る」という発想もできます。

  • 今、残業が多い時期なので、1人では皆様にご迷惑をかけないか心配です。もう1名、幹事にしてもらえませんか? と交渉する(憧れの先輩をさりげなく指名するとか!)
  • 幹事の機会に、自分の名前や仕事ぶりを上手にアピールすると考えるなどです。

飲み会の幹事という「点」を、未来のどんな「点」につなげたいか。

行動を起こすことで、見える景色が変わります。

=シンプルな行動で「思い通りの人生」を手に入れる33のルーティン
三條公実子
中小企業診断士。国家資格キャリアコンサルタント。経営学修士(MBA)。元JAL客室乗務員。成績・容姿共に人並みだったが、新卒で当時約3%の合格率だったJAL客室乗務員に採用される。その後、JTBの旅行雑誌編集部門を経て、ベネッセコーポレーションで「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」のマーケティングや事業開発に従事。現在は事業会社で基幹職をしながら経営コンサルタント・研修講師としても活動。「パラレルキャリア」を実践している。

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