本記事は、三條公実子氏の著書『シンプルな行動で「思い通りの人生」を手に入れる33のルーティン』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
「環境」という不確実要素を生かしてキャリアを実現していく
思い通りの人生を考えた時、一見、自分の努力ではどうにもならないと思えることがあります。
それが「環境」です。
仕事、収入、休日……今すぐ変えたくても、なかなか変えられませんよね。
それでも、あえて「変えたい」と思ってみてください。
- どう変えたいですか?
- 変わった後の理想はどんな状態ですか?
- 理想の状態を阻んでいることは何ですか?
今、1週間後、1か月後に環境を劇的に変えることは難しいかもしれません。
でも、1年後はどうでしょう。3年後は?
イメージが具体的になればなるほど、「目標までの階段」が見えてきます。
あなたも、1つか2つは覚えがあるはず。
いきなり難しい理想でなくていいんです。
一歩先くらいの理想を冷静にイメージしてみてください。階段、見えてきませんか? もちろん、はっきりと見えるはずはありません。
何となく、「今はできなくても、時間が経てば可能性はありそう」という漠然とした感覚で十分です。
キャリア理論に「ハップンスタンス・ラーニング・セオリー」というのがあります。人生の好機を生み出すコツのようなものです。
- 好奇心 ―― 新しい学びの機会を模索する
- 持続性 ―― 失敗に負けず、努力を続ける
- 柔軟性 ―― 姿勢や状況を変えてみる
- 楽観性 ―― 新しい機会は必ずやってきて、自分のものにできると考える
- 冒険 ―― 結果がどうなるか見えなくても、行動を起こす
これらが、偶然を呼び寄せていくと言われています。
行動するほど、偶然の機会は増えます。機会が増えれば望む未来を選択しやすくなる、ということです。
たとえば、私のキャリアコンサルタント仲間のMさんの場合。
彼は、ある大企業の人事部の社員です。キャリアコンサルタントの国家資格を持っています。
彼自身は「人の強みを引き出して、それをサポートすることが自分のやりがい」と考えていました。キャリアコンサルタント資格を目指したのも、それがきっかけでした。
彼は人事部主催の研修運営を通じて外部講師やコンサルタントとの人脈を広げていました。
やがて、会社の仕事を通じて信頼関係ができた彼らのお手伝いをするようになります。彼個人でも仕事を任されるようになっていきました。
今では、彼らからの紹介を通じて契約した研修会社からの研修依頼で4月は大忙し。それ以外にも、社団法人立ち上げに加わり、共同運営者にまでなっています。
やりたいことを明確にし、行動を起こすことで身近な縁を広げ、目の前のことを全力でやった結果、実現させたのです。
今では、当初のゴールイメージを超えた活動になっています。
「ハップンスタンス・ラーニング・セオリー」は、意識して行動すれば叶うだけではありません。思いもよらぬタイミングで複数のチャンスが同時に押し寄せてくることや、目標を軽々超えることも珍しくありません。ですから、「叶わないかも……」と思うより、「叶ってしまった時に慌てないよう、できるだけ今から準備しておこう」と考えておく方がよい、というのが私の考えです。