本記事は、三條公実子氏の著書『シンプルな行動で「思い通りの人生」を手に入れる33のルーティン』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
英語より資格より身だしなみ
やりたいことがある、異動したい、今いる環境を変えたい。
そんな時、たとえば語学や資格が必要だと思うこともあるでしょう。
しかし、勉強は時間がかかることが多いもの。
もちろん勉強も大切ですが、今ここから一歩ずつステップアップするためには、「身だしなみ」が大切です。
何を唐突な……と思われたかもしれません。
でも、考えてもみてください。
いざ、英語がネイティブ並みになっても、難関国家資格を取得しても、身だしなみや話し方が伴っていなければ、単に「英語が得意な人」「資格がある人」になってしまうかもしれません。
異動や転職の場合、即戦力を期待されることは多いです。
見掛け倒しでOKとは言いませんが、第一印象で「好感」「期待」を持たせること、そして何より、「そうなる前から、あなた自身がそうであるかのように振る舞うこと」で実現スピードを速めることが大切です。
- 課長になりたければ、課長になったつもりで仕事をする
- 客室乗務員になりたければ、客室乗務員らしいメイクや所作を学ぶ
表面だけ取り繕っても、中身がなければ意味がない、と思うことなかれ。
意識すると、おのずと「ホンモノになりたい」という意欲が高まり、ホンモノへのアンテナが高くなります。そして、自然と必要な情報(たとえば見本となる人が目に入りやすくなる等)が入ってくるのです。
必要な情報が入ると、ホンモノに近づくための行動が増えますから、おのずと実現に近づいていきます。
たとえば客室乗務員の世界。
訓練生バッジをつけていないかぎり、若手とベテランの年齢差は見た目でわかっても、1年目か3年目かは見分けがつきにくいです。お客様から「あれは新人だな」とは気づかれにくいはずです。毅然とした立ち居振る舞いが、理由の1つです。
1年目の客室乗務員でもものおじしないのは、「統一美」「基本のルーティンを徹底しているから」です。私がいたJALでは、訓練部の後半期から制服を着て訓練を受けます。制服の着こなし、メイクなど徹底して外見を磨かれます。
訓練後は、乗務員の座席位置ごとに仕事が決まります。どこに座るかによって、仕事内容が決まっているのです。たとえば、「今日はR4ドア担当です」と言われれば、ギャレー担当、R3ドア担当ならアナウンス担当、といった具合です。
もちろん、全員に共通する業務はありますが、個別の業務は座席位置で決まります。客室乗務員の仕事は毎日変わりますが、座席位置で業務内容が決まっているため、いちいち業務内容の説明はありません。身だしなみを整え、座席位置を確認し、お客様の状況や天候についての情報共有を終えると、乗務する機体に搭乗し、状況に応じて仕事の調整や他の人と連携をしながら、業務を遂行するのです。
また、類は友を呼ぶ、といいます。パリッとビジネススーツを着こなす上司のようになりたければ、まずはスーツを着こなす。上の人は見ています。スーツの着方、襟元、足元。これが決まっていれば、仕事へのやる気に関しては一目置かれます。
時々、夏の時期に「サマーカジュアルはどこまで許されますか?」という声を聞きます。
- 女性用の靴はバックストラップがついていればOK、ミュールはNG。
- 胸元が目立たなければノースリーブOK
などなど、細かい取り決めをしなければいけない人事部の苦労に同情します。
私からすると、低レベル過ぎて話になりません。そんな質問をする人は、放っておきたいくらいです。
フロアで上司や同僚にどう思われたいのか?
客先でいい成果を得るためには、どんな身だしなみがいいのか?
思い通りに人生を行きたいなら、まずは身だしなみからです。難しく考える必要はありません。簡単なルーティンを1つ取り入れればいいのです。
たとえば次のようなものでもOKです。
- 仕事から帰ったら、すぐに靴をブラッシングする
- たとえしわがつきにくいカットソーでも、アイロンをかける
土日にまとめて、でもかまいません。
これだけで、仕事への意識が変わります。
意識が変わると行動にも表れてきます。1つ1つの仕事が丁寧になったり、責任感が強くなるなど、魂が細部に宿っていきます。
まずは、できることからやってみましょう。
あなたのやる気を育てるのは、やりがいのある仕事やその成果だけではありません。日常のちょっとしたルーティンが、あなたを支えているのです。
- 今日から実践
- 良く磨かれた靴で出勤しよう