本記事は、高橋貴子氏の著書『自宅教室の集客マインド好転バイブル 年商1000万円をラクに稼ぐ45のレッスン』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています
「振り子の法則」を知ればチャンスもピンチも想定内
「振り子の法則」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
振り子の運動は、真ん中に支点があり、片側に振れたら同じ振れ幅で逆側に振れます。
同じように、人生も良い状況があれば、同じ振れ幅で苦境や困難に出合うこともあるということです。
だから、自分の人生において良いことがありすぎる場合は、振り子は反対側に振られる可能性があると認識して、調子に乗りすぎないように来るべき試練も想定して準備をする。
逆境の時には、振り子が振り切った次には、良い方向に向かって動き始めるので、苦境の中で落ち込むだけではなく、来るべき良い波に乗れるように準備をしておく。
そのように私は人生の波や、仕事の波を把握しています。あらがいようもないタイミングだと考えているからです。心の持ちようは「中庸」を常に意識しています。
起こっている事象を先読みすると、ピンチもチャンスも想定内になる
前述のように、振り子は片側に振り切ったら同じ勢いで逆側に振れます。この振り幅はある程度自分でコントロールすることもできます。それは、おそらく感情と連動する領域と考えています。
つまり、状況が良いときに「有頂天」になりすぎると、その後、訪れる苦境のとらえ方が、天から地へ突き落とされるぐらいの「どん底」な気分になるということです。
しかし、実際の現象は、感情が伴わなければ、そこまで大きなインパクトはありません。有頂天になるから振り幅が大きくなるのだと思っているのです。私の心がけとして、うまくいっているときほど「おかげさま」という言葉を使うようにしています。
つまり自分だけの力で現状がつくられているわけではない、他の人の力も借りて今の状況ができていると感謝する。そうすると「慢心」「傲慢」な心は浄化されていくので、振り子の振り幅はそこまで大きく片側に振れることはないように感じています。
そして、良い方に振れたらその後は、逆側に振れることはわかっているわけですから、状況が良いときに逆境に対する備えの心を持つだけで、だいぶ気持ちは楽になります。
なぜならば、どちらに振れるにしても「想定内」だからです。
原因と結果は延長線上にあることを知って備える
「因果」という言葉がありますが、「良い原因」は「良い結果」を生むのであれば、「良くない原因」は、「良くない結果」を生むことにも通じます。
良い波が来ているときにはその自分を楽しんでもいいですが、次の逆境に備えた心と実務的な準備をしておくことをおすすめします。
例えば、私の場合は、複数事業を同時に運営しています。そして、新しい事業を立ち上げるときには、その事業がうまくいって利益が出ているときに、その利益を使って新規事業にチャレンジ、失敗してもいい状態で立ち上げます。そんな時は心にも資金にも余裕があるので、結果として新規事業もうまくいきます。その後、既存事業が衰退することがあっても、新規事業が核になり、成長を止めずに拡大していくことができます。
このように私は「振り子の法則」の因果を自分なりに把握して、マインド的にも実務的にも活用しています。事業への応用が難しい方でも、「マインド」的に応用することはそれほど難しくないと思うので、ぜひ活用してみてください。
苦境に陥ったときほど「選択と集中」を実践する
苦境に陥ったとき、大抵の人は焦ってパニックになることが多いと思います。
かつての私もそうでした。想定外のことが起こったとき、次から次へと瞬時に決断していかないと、ますます事態が悪いほうに向かってしまう。こんなときには即断即決できる決断力が求められます。
しかし、教室業の事業運営レベルではそこまで危機管理上のスピードを求められるシーンはそう多くはありません。
ただ、苦境に陥ったときには、最優先でやるべきことが2つあります。
それはやらなくてはいけないことを決めることと、
その解決に集中して最速で処理していくことです。
そのときに必要になる考え方が「選択と集中」です。
選択と集中を行わなくてはいけないタイミングとは
「選択と集中」は日常でも当たり前のようにしていただきたいのですが、特に「苦境」に陥ったときにさらに力を入れてほしいのが「集中」**です。
実は、苦境の時ほど、「集中」ができない方が多くいらっしゃるのです。
その理由は、「現実を直視するのが怖い、辛い」からです。
苦しいときほど、心理的に逃げたくなります。だからその現象から目を背けたくなる、または、後回しにしてしまう。それによって、さらに事態を悪化させている方を何人も見てきています。
確かに苦しいことほど向き合うのはキツイ。これは、よくわかります。
そこで覚悟を決められるかどうかは、次のステージへの試練を試されているのではないかと思うのです。その覚悟を決めるとその先の道が開けますが、覚悟が決められない場合は、いつまでも同じところをグルグルと回遊することになると思います。
選択することは、必ずしも今の自分にとって「嫌な道を選ぶ」ことばかりではない
もしかしたら少し矛盾するように聞こえるかもしれませんが、「選択と集中」は必ずしも、今のあなたにとって「嫌な道」を選ぶことではありません。
つまり、「目的地に向かうルートは一つではない」ということです。
例えると、山登りのルートは、急勾配の登りが厳しい道を選んで最短距離で行くのもよし、緩やかな迂回ルートで、ゆっくり時間をかけて登るのもよし。どちらを選んでもいいのです。
大切なのは、今、苦境にいる状態で「次に、どういう道を選択して(選択)、そちらに舵を切ることができるのか(集中)」です。
一番良くない状態は、ダラダラと一つの方向性も決められずに、そこに居続けることです。
あなたが選んだ道は、どの道も正解
前述の例は、山を登ることが前提でしたが、山を下りる選択だってあり得ます。
すべて、あなたの決断次第です。
苦境に陥っているときは、「何かを変えるタイミング」なんだと思ってください。そのタイミングで今までの自分を振り返り、棚卸しをして、やるべきことを明確にして進む。そのために訪れるのが「苦境」という名のイベントなのではないかと思うのです。
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