リスキリングについてのQ&A

リスキリングとは何なのか?

リスキリングとは、技術革新が進んで産業構造の大きな変化が起こったとしても、変化に適応して価値を創出し続けられるように、新しい知識やスキルを修得することだ。

IT技術の進歩や価値観の多様化など、事業を取り巻く環境の変化は激しいため、既存のノウハウや技術だけでは生き残れない企業も多い。リスキリングによってこれまで自社になかった新しい知識やスキルを修得して導入することは、事業革新による持続的な成長にも欠かせないものである。

リスキリングでは何を学ぶ?

リスキリングで学ぶ内容は、自社の経営戦略やビジョンによって異なるため、必要なスキルを可視化することが重要である。

ただ、IT技術の進歩に伴ってDXの推進が世界的なトレンドとなっており、日本ではIT人材の不足が慢性化しているため、特にプログラミングスキルやDX、AIといったデジタル技術、データ分析といったスキルの修得が必要とされている。

それ以外にも、自社の収益性を左右するマーケティング戦略に関わるものとして、SNSやYouTube、自社Webサイトなどのメディアを活用したデジタルマーケティング関連のスキルの修得などが重要視されている。

リスキリングはなぜ行われるのか?

リスキリングによって新しいスキルを修得した人材が育成できなければ、技術革新による市場や業界自体の変化に対応できない可能性がある。DXの推進などによって、他社に対する優位性の確保ができなければ市場から淘汰されてしまう恐れもあるだろう。

また、リスキリングによって自社人材の育成ができなければ、外部のリソースに頼らざるを得ず、コストの増大はもちろん自社ノウハウの蓄積ができないといったデメリットもある。

リスキリングのメリットは?

リスキリングによって新しいスキルを修得した人材を育成できれば、DXのような経営革新につながるシステムの導入や、これまで技術的にも不可能だった新しい製品やサービスのアイデアを実現できる可能性が高まる。

社員にとっても、新しいスキルを身につけてキャリアアップするチャンスであり、エンゲージメントが高まることで、組織への貢献意欲の向上や定着率アップといったメリットが得られる。

リスキリングを中期経営計画に組み込んで実行しよう

リスキリングは、DX推進など自社にとってこれまでにない事業革新につながるための人材育成を目的としたものである。企業側からの働きかけはもちろんだが、社員の自主性も重要であり、リスキリングの制度設計と全社的なテーマであることを周知させることが肝要だ。

リスキリングに取り組む際には、中期経営計画に目標値を組み込んだ上で、PDCAを回しながら実行してほしい。

文・隈本稔(キャリアコンサルタント)

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