リスキリングのメリット5つ

リスキリングによって、社員がこれまでにない新しい知識やスキルを修得することで、企業にとっては主に5つのメリットがある。それぞれについて解説する。

1.自社リソースの活用範囲が広がる

リスキリングによって社員のスキルが高まれば、これまで外部リソースを活用していた分野でも自社で対応できるようになり、コスト削減につながる可能性がある。

たとえば、社員のITスキルを高めることができれば、これまでSIerなどへの外部委託していたDX業務の割合を減らせるだろう。外部委託に頼ったままでは、システムが時代遅れになる可能性もあり、自社人材を育てることが人材不足解消だけでなくノウハウの蓄積にもつながるだろう。

2.自発的にスキルを修得する人材が生まれる

リスキリングによるスキル修得を支援するための制度を策定して実行すれば、自己啓発意欲の高い人材が生まれる可能性が高まるだろう。

リスキリングによって事業革新を進めるためには、企業側から社員に働きかけるだけでは限界がある。自己啓発意識が高い社員に対しては積極的にリスキリングの機会を与え、継続的にフォローアップしていくことが重要だ。

リスキリングを行った社員が成果を出して評価されれば、新たに自発的に学ぶ社員が増えていくだろう。

3.事業革新につながる新しいアイデアが生まれる

リスキリングによってスキルを修得した社員の習熟度が上がれば、新しい価値の創造や事業革新につながるアイデアが生まれやすくなるだろう。

リスキリングの目的の一つは、市場や産業の変化に適応しながら価値を創出し続ける能力を磨くことである。リスキリングはこれまで持っていた価値観の変革にもつながり、リスキリングを行った社員を積極的に新規プロジェクトに参画させることで、新しいアイデアが生まれる可能性が高まるだろう。

4.生産性の向上が期待できる

社員がリスキリングによって修得したスキルを使いこなすことで、より効率的に業務を行えるようになり、生産性の向上につながる可能性がある。

たとえば、これまでの社内稟議のワークフロー中に、書類を作成して上司の承認を受けるというアナログなタスクがあったとしよう。新しくシステムを導入して稟議書類の作成と回覧や承認をオンラインで行うことができれば、業務は大幅に効率化できるだろう。

リスキリングによって社員にツールの選定や導入ができるスキルを修得してもらい、裁量権を与えれば、業務革新を主体的に進める人材として活躍してくれるだろう。

5.社員のエンゲージメント向上につながる

リスキリングに取り組むことで社員のスキル修得を促し、キャリアの可能性を広げるための支援をことは、社員のエンゲージメント向上にもつながるだろう。社員のエンゲージメントが向上すれば、仕事に対するやりがいを感じるようになり、組織に対する貢献意欲の向上や離職率の低下が期待できる。