本記事は、渡部建氏の著書『超一流の会話力』(きずな出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
明石家さんまさんは「話をさせる」プロ
コミュニケーションでは、いかに自分が話すかより、『いかに相手に話してもらうか』のほうがよっぽど大事なんじゃないか」
そう考えるようになってから改めてテレビのバラエティ番組を見ていると、僕はさらなる発見をしました。
じつは、長年テレビの第一線で活躍し続けている超一流の芸能人は、みんな「話をさせるプロ」だと気づいたのです。
たとえば、明石家さんまさん。
さんまさんは「おしゃべり怪獣」とも呼ばれ、ひたすら自分だけしゃべり続けているイメージを持たれがちです。
でもじつは、さんまさんはゲストに「話をさせる」のがめちゃくちゃ上手です。
さんまさんの聞き方が上手いから、さんまさんの番組では、どんな人でも番組内で気持ちよく話ができて、トーク全体が盛り上がります。
さんまさんだけではありません。少なくとも、自分がMCを務める冠番組を持っている芸能人は、みんなそうです。
バラエティ番組にコミュニケーションの真髄がある
僕は数多くのバラエティ番組に出演させていただいた経験から、
「バラエティ番組には、コミュニケーションのコツのすべてが詰まっている」
とすら思うようになりました。
そもそもテレビのバラエティ番組は、芸人、俳優、アイドル、スポーツ選手、学者、文化人など、年齢も専門も
しかも、ほとんどの場合、みんな初対面だったり、その場でしか顔を合わせない人たちばかり。
テレビを見ていると誤解しがちですが、別に顔見知りやお友だちが集まっているわけではありません。収録が終わると、「じゃ、お疲れ様でした~」といって解散して、基本的には再会することもありません。
そんな人たちが数時間だけ同じ場所に集まって、楽しそうに会話したり、VTRを見ながらワイワイ意見を言い合ったりする。
このような特殊な空間をつくり上げるために、芸能界の超一流の人たちは「だれとでも盛り上がる会話のコツ」を身につけているのです。
……ということを言うと、「なんだか難しそう」「センスが必要なんじゃないか」などと不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。
彼らが実践しているのは、じつはシンプルなコツで、仕組みさえわかれば、だれでもマネできるものなのです。
もちろん、そうしたコツは、ビジネスや日常会話など、あらゆる会話のシーンで活用できます。
多くのコミュニケーション本などを読んで学んだなかで、僕は改めてそのことに気づきました。