本記事は、渡部建氏の著書『超一流の会話力』(きずな出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
「興味がない」という最大の障壁
上手く相手の話を聞けない人の傾向として「つい自分の話をしてしまう」という悪いクセがあります。
ほかにも、相手の話をちゃんと聞けない大きな原因があります。
それは、
「そもそも相手(の話)に興味がない」
という場合です。
たとえば小学生時代に、朝礼の校長先生のお話をちゃんと聞いていた人は少ないのではないでしょうか。
話の内容が右の耳から入って、そのまま頭を素通りして左の耳から出ていってしまっているような感じです。
人との会話でもこのような状態になってしまう人がいます。
コミュニケーションの源泉は相手への「興味」
じつは、こちらのほうが深刻な問題です。
「相手(の話)に興味がない」のは、そもそもコミュニケーションの根幹に深くかかわるからです。
コミュニケーションを円滑にし、有意義なものにするためにもっとも大切な源泉となるのは
「相手に対する興味」
なのです。
極端な言い方をすれば、相手への興味がなければ、コミュニケーションは絶対に上手くいきません。
たとえば、相手に気持ちよく話をしてもらうには「質問」をすることが大事なテクニックのひとつです。
でも、そもそも相手に興味がなければ、別に聞きたいこともないわけですから、質問が思い浮かぶはずもないのです。
興味は「持たなければならない」もの
もちろん、僕はすべての人の、すべての話題に対して、つねに興味を持て! なんて無茶を言うつもりはありません。
たとえば、プライベートであれば、そもそも興味のない人とは付き合わなければいいわけです。
興味のない話題は適当に聞き流したり、別の話題にさっさと切り替えてもいいでしょう。
僕だって正直、たとえば親しい友人との日常会話で、そこまで集中して「聞き役に徹しよう」「相手に気持ちよく話してもらおう」と考え続けているわけではありません。
でも、仕事関係の相手など、良好な関係を築いておきたい相手であれば、「まずは相手(の話)に興味を持つ」ことがもっとも大切です。
だから私たちは、積極的に相手に興味を持つ努力をする必要があるのです。