2023年の大規模言語モデルに関する最新動向

2023年は、人工知能と機械学習の分野において大規模言語モデルの進化が顕著になった年だ。特に自然言語処理(NLP)の領域では、OpenAI、Google、Microsoftといった大手テクノロジー企業が、それぞれの最新モデルを発表し、業界に大きな影響を与えている。これらのモデルは、人間の言語を理解し、生成する能力が大幅に向上しており、さまざまなアプリケーションでの利用が期待されている。

OpenAI

2023年11月、OpenAIは新たな大規模言語モデル「GPT-4 Turbo」を発表した。このモデルは、2023年4月までのデータを学習している。また128K文字までのコンテキストウィンドウを持ち、300ページ以上の長文回答が可能だ。

GPT-4 Turboは、複数のアクションを1つのメッセージで指示できる機能や、JSONフォーマットでの応答機能を備えている。またGPT-3.5 Turboも16Kコンテキストウィンドウでアップデートされ、同年12月11日に自動アップグレードされる予定である。

開発者向けには、AIアシスタントをアプリに組み込む「Assistants API」のベータ版がリリースされた。「Assistants API」により、データ分析やコード支援、予定調整などの機能が実現可能になる。

さらに画像入力に対応した「GPT-4 Turbo with vision」もリリース予定で、画像に基づくキャプション生成や詳細な分析が可能だ。著作権に関する取り組みも強化され、ユーザーが著作権侵害の法的請求を受けた場合、OpenAIが費用を支払うとしている。

Google

2023年12月、Googleは最新かつ高性能なAIモデル「Gemini」を発表した。このモデルは、テキストやコードだけではなく、画像、音声、動画といった多様なデータを理解し、操作する能力を持つ。Geminiは、3つのサイズに最適化されており、特にGemini Ultraは最高水準のパフォーマンスを発揮する。

またGoogleは、Geminiを活用した新しいAIアシスタント「Assistants API」のベータ版もリリースし、開発者や企業がAIをより効率的に利用できるようになる。さらにGoogleは、Geminiの安全性と信頼性にも重点を置いており、さまざまなテストと安全対策を実施している。

Microsoft

Microsoftは、2023年11月に「Bing Chat」などを「Copilot」に名称を変更すると発表。さらに、翌月には大幅なアップデートを発表した。このアップデートでは「GPT-4 Turbo」に対応し、複雑で長い処理の対応力が向上する。また画像生成AI「DALL-E 3」も新しいモデルに更新され、より正確な画像生成が可能になる。

さらにMicrosoft Edgeブラウザを通じて、Webサイトのテキストを簡単に書き換える機能が追加される予定だ。プログラムのコード自動生成や実行が可能な「コード・インタープリター」も改善され、より正確な計算やデータ分析が行えるようになる。

Bing画像検索やWeb検索では、GPT-4の画像解析機能を組み合わせることで、画像を使った検索結果でより高いレベルで画像を理解する。また「Deep Search」機能により、プロンプトを使って詳細な質問を掘り下げ、関連性の高い検索結果を得られるようになるという。