本記事は、西剛志氏の著書『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

自由,光
(画像=ipopba/stock.adobe.com)

80代や90代になってもどんどん新しいことに挑戦し、元気に前向きに若々しく生きている「スーパーエイジャー」の人たちに共通する法則があります。それは、自由で、好きなことをしているということです。たとえば食べ物は、好きなものを食べている人が多い。ほかのことでも、自分に「制約」をかけず、好きなことをしている人が多いのです。

「これをしたらいけない」「ここは我慢しないといけない」、そういう制約を自分にかけていない人のほうが長生きしやすい傾向がある人です。

なぜなら、私たちの脳は制約をかけると状態が下がってしまい、やる気のホルモンであるドーパミンが出にくくなってしまうからです。

逆に言えば、次のような人たちは自分に制約をかけやすいので、気をつけたほうがいいと思います。

  • まじめ過ぎる
  • ガンコ
  • 自分にきびしい
  • 新しいことを始めない

自分への制約は、脳には悪いことばかりです。実際にスーパーエイジャーの人たちを見ても、好きなものを食べたり、高齢になってから新しいことを始めたり、適度にお酒なども楽しむ人が多いことに気付きます。アメリカで最高齢だったサラ・ナウス(没年119歳)は、嫌いな野菜は食べなかったそうです。イギリスの最高齢記録をもつ元軍人のヘンリー・アリンガム(没年113歳)は、タバコとウイスキー、女性とユーモアが好きだったそうです。ストレスは脳の老化を早めることがさまざまな研究でわかっているので、できる限り脳にストレスを与えないようなことを選択できたほうがよいのです。日本人2万人を調査した研究でも、人は自分で決定できる自由な環境にいるとき、健康や人間関係について最も幸福度が高まることがわかっています。

また、好きなことをしていると、さまざまな刺激があることも脳にとってプラスです。

たとえば、好きなものを食べているときの「おいしい!」という感情は、味覚への刺激だけでなく、嗅覚、視覚などさまざまな刺激になります。

「この歳になったら、これは食べないほうがいい」などと自らを制約するのではなく、「好きなものは自分の体が欲しているもの」くらいの感覚で、自由に「好き」を優先して暮らすことが脳の若さを保つコツです(ただし、他の病気などで制限がある場合はそのことも考慮してください)。

80歳でも脳が老化しない人がやっていること
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポートしている。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。

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