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FOMC、日銀金融緩和…サプライズの一週間

今週は、日米の金融政策発表が市場を大きく動かした一週間であった。

10月28~29日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り、量的緩和(QE)の終了が発表された。ただ、景気に対して米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重な見方を示すことが見込まれていたが、労働市場についての判断を上方修正したことがサプライズであった。これに対し、市場はドル買いで反応した。ドル円は108円台前半から109円台を試すレベルまで上昇した。

その後もドル円相場は底堅く推移したが、31日(金)に、更なるサプライズを迎えることになる。同日開催された、日銀の金融政策決定会合において、追加緩和が決定されたのである。具体的には、マネタリーベースの年間の増加ペースをこれまでの60兆~70兆円程度から、80兆円程度に増やすことが決定された。事前のムードは金融政策維持に傾いており、市場の関心事は展望レポートで、成長率やインフレ率の下方修正がどの程度であるかというものであり、追加緩和は想定されなかった。

追加緩和は、5対4という僅差で決定されたものの、追加緩和策が発表されると市場は鋭く反応した。日経平均株価は7年ぶりの高値を更新し、ドル円相場はニューヨーク市場で一時2007年12月以来となる112円48銭まで上昇し、各クロス円も大幅高となった。