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平成26年10月23日、行政法人の都市再生機構(UR)は『多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まちづくり(ミクストコミュニティ)に向けた取り組み』を発表した。これによると、”住み慣れた地域で最後まで住み続けることができる環境(Aging in Place)を実現するため”地方公共団体や自治会等と連携して「地域医療福祉拠点の形成を目指す」とのことだ。

2018年までには地域医療福祉拠点の形成の取り組みを100団地程度にまで増やす予定であり、2025年までには、この取り組みを実現し、超高齢社会にむけて先駆的なまちづくりを行っていくことを目標としている。すでに団地の一部を住戸単位で活用し、民間によるサービス付き高齢者向け住宅として供給するしくみを整えている。平成26年11月には高島平団地でサービス付き高齢者向け住宅『ゆいまーる高島平』がオープンする予定だ。


都市再生機構の取組みの背景 ~住宅・住人共に高齢化~

ここ数年、マンションの老築化と共に居住者の高齢化が深刻だ。国土交通省がまとめた調査によると、マンションの世帯主の年齢は徐々に上昇してきている。60歳以上の世帯主割合は平成11年度において25.7%程度であったが、平成25年度においては50%と半数を超えてきているのだ。当然、若い世代の世帯主は減っている。40歳以下で見た場合、平成11年度では48.7%だが、平成25年度では26.7%となっているのだ。例えば、昭和40年代に建設された高島平団地や豊島五丁目団地は、新築当時は高層アパートという物珍しさもあって若い世代の入居者が殺到したが、それらの世代がそのまま年を重ねたことにより、今では高齢者が暮らすマンションの代表例となってしまっている。

このような背景から“団地はすでに時代遅れ”というイメージが付いており、空室を埋めるのにかなり苦労しているのが現状だ。問題は団地に住む人々に多様な世代がないということである。一様に年齢を重ねていくので、同世代ばかりが入居してしまえば、いずれは居住者の高齢化がやってくる。