本記事は、八木仁平氏の著書『世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

創造的な社会の概念
(画像=Sandra/stock.adobe.com)

一生武器になる技術を、無意識レベルでつかえるようになる

ここから「才能を活かす技術」を説明していきます。

長所を活かす技術は2つ、短所をカバーする技術は3つ存在しています。

お伝えした通り、「才能を活かす技術」は「スキルや知識」と違って、あなたが生きている限り一生つかい続けられるものです。「才能」はつかえばつかうほど慣れていき、意識しなくても習慣としてつかえるようになっていきます。この先ずっと、あなたの人生を切り拓くための武器になってくれます。

長所を活かす2つの技術

最初は「長所を活かす技術」です。

「長所を活かす技術」はたった2つ。

(1) クラフト法…仕事を天職につくり変える魔法の技術
(2) 環境移動法…長所が輝く環境を再現性をもって手に入れる技術

つまりあなたには、才能を長所として活かすために「(1)今の環境で仕事を天職につくり変える」か「(2)環境を変える」かの2つの選択肢があるということです。

環境を変える基準は「やり切ったかどうか」

気になるのは、「どこからが環境を変えるべきラインなんだろう?」という疑問でしょう。

例えば、「成果は出ているけれど、違う道もあるのではないか。そうなると、環境を変えるべきなのかどうか悩んでしまう」という話もよく聞きます。多くの人がこの「環境を変えるタイミング」の判断に迷っています。その結果、「環境を変えるのが早すぎて、仕事を転々とし続けてしまう」「環境を変えるのが遅すぎてメンタルを崩してしまう」ということが起きるのです。

なので、シンプルな判断の基準をここでお伝えしたいと思います。

A 合わなすぎる環境からは今すぐに距離を置く

まず、今の環境にい続けることで「自分はダメだ」という自己否定感や、「体調やメンタルを崩しそうな予兆」がある場合は、すぐに環境を変えてください。悩んでいる時間はありません。「次にどんな仕事をしよう?」と考えるのも後回しで構いません。

なぜなら、才能が短所として出てしまう環境から距離を置いてからでないと、冷静な判断ができないからです。

気持ちが落ち着いたら、「[長所を活かす技術(2)]環境移動法」に取り組んでみてください。

B 徹底的にもがくことで「才能が活かせる環境」を言語化する

体調やメンタルが大丈夫そうな場合は、今いる場所で才能を活かす方法はないか、徹底的にもがいてください。

なぜもがいたほうがいいかと言うと、その中で自分の才能への理解が深まるからです。うまくいかなかったとしても、とても価値のある時間になります。

多くの人が、もがくことをせずに「なんとなく嫌だ」という理由で環境を変えてしまいます。ですがその理由で環境を変えるのは、ギャンブルです。次に選んだ環境が自分に合うとは限りません。

ギャンブルを繰り返すのがクセになった結果、大当たり(天職)を探して永遠にさまようことになってしまいかねません。

一方で、もがき切った上で「これだから嫌だ」と意志を持って環境を変えれば、元の環境で過ごした時間は才能を活かすための貴重な判断材料となります。

そして「自分の才能が合わない環境」だけでなく、「自分の才能が活かせる環境」がどんなものなのかも段々とわかってきます。

その経験を積むごとに、環境を選ぶことがどんどんうまくなって、右肩上がりの人生を歩むことができるようになるのです。

そのため、「(1)クラフト法→(2)環境移動法」の順番で長所を活かす技術を説明していきます。

POINT
  • 「なんとなく嫌だ」から「これだから嫌だ」へ言語化する

[長所を活かす技術(1)]クラフト法―仕事を天職につくり変える魔法の技術では、まずは「クラフト法」からお伝えしましょう。

「クラフト法」とは、目の前の仕事に「才能を活かす工夫」をすることで、自分の天職に変えてしまう技術です。

僕は、「天職を見つける」という言い方が好きではありません。なぜなら、この世界のどこかに、唯一自分にぴったりの「天職」があって、それを見つけさえすれば幸せになれるというイメージを持ってしまうからです。

「天職」は「与えられる」ものではなく「作る」ものです。自分の長所が活かしやすい環境で、その活かし方を工夫することで、「これが天職だ」と感じられるようになっていくのです。

「クラフト法」をマスターし、天職に変えることができるようになりましょう。

他人の成功を真似するのはやめなさい

僕の感覚として90%以上の方は、今いる環境でも、工夫次第で「才能」を活かす余地があります。

20代の会社員Hさんの例をお話ししましょう。Hさんの目標は、「世界で自由に活躍できる人になる」こと。「日本にいながら、今できることは何だろう?」、そう考えて、会社員をしながら副業で海外向けの動画発信を開始しました。

最初は、「海外向け発信で成功している日本人」の真似をして、ファッションの動画、日本の食べ物のレビュー、スケボーの動画などをカッコよく編集してアップしていました。けれどチャンネル登録者数は20人程度までしか伸びず、楽しくないし自分らしい感じがしません。

そんなとき、僕の前著『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』に出会い、書かれている才能を見つけるワークに取り組んだのです。そこで見つけた才能は、「理想の未来を語ること」と「生き方について深く考えること」。それらを活かして、「私が1年以内に成し遂げたいこと」「出るくいは打たれるという日本文化について思うこと」など、次々と動画をアップしていきました。

「めちゃくちゃ楽しい! 普段から考えていることをそのまま発信しているだけなので、無理している感覚も全くありません」と言うHさん。半年間続けた結果、チャンネル登録者数は5,000人になり、今も伸び続けています。

Hさんは、こんなことを語ってくれました。

「他人の成功を真似しても意味がないということを痛感しました。持っている才能が全然違うんです。私が参考にしていた人は、見ているだけでカッコいい雰囲気に浸れる動画を作るのが上手でした。

それはその人の才能をつかったやり方であって、私には私のやり方があったんです」

このHさんのメッセージが、ここで僕がまさに伝えたいことです。

同じことをしても、やり方は人それぞれ。才能を見つけ、その才能のつかい方を工夫しなければ成果は出ません。もし出たとしても苦しくて続けられません。

「つい、やってしまうこと」をそのまま表現すれば、成果が出ない時期も粘り強く続けることができます。あなたが今やっていることでも、自分の才能のつかい方を工夫することは必ずできます。

「もっと自分の才能をうまくつかう方法はないか?」

こう考えることをクセにすれば、あなたの才能は長所としてどんどん活かせるようになっていくのです。他にも、以下の環境で才能のつかい方を工夫した例にはこんなものがあります。

今の環境で才能を活かす工夫をしきるために、質問とあわせてぜひ活用してください。

「クラフト法」の実践例

  • 人見知りで新しい人間関係を作れない
    →「新しいことを好奇心を持って学ぶ」才能を活かして、つながりたい人がいる学びの場に出かけて知り合うようにした

  • 論理を重視しすぎて人の感情を無視してしまう
    →「うまくいくルールを作って守る」才能を活かして、人に意見を言うときに「私はこのように思うんですが、◯◯さんはどう思いますか?」とやわらかく伝えるようにした

  • 勉強しなければいけないのに好奇心が湧かないことに対してやる気が起きない
    →「同じ目標を目指す仲間と取り組む」才能を活かして、ファミレスで友達と問題を出し合いながら勉強した

「クラフト法」を実践するための質問

まずはこの3つの質問に答えてみてください。

  • その活動をあなたが自然とできることと結びつけることはできませんか?
  • 過去に他の物事でうまくいったやり方を応用することはできませんか?
  • 自分のモチベーションが上がる行動をつかうことはできませんか?

[長所を活かす技術(2)]環境移動法―長所が輝く環境を再現性をもって手に入れる技術

ここまで、「環境を移動すること」で才能が活かせるようになった事例をお伝えしました。

ここまで読んでくださったみなさんが気になるのは、

「どうやって自分に合った環境を選べばいいの?」

これですよね。続けて説明していきます。

うまくいった過去の共通点を探る

「長所が活かしやすい環境」を見つけるためにも、才能マップをつかいます。やり方はシンプルです。

  • 1つの才能マップの中から「才能を長所として活かせた経験」を抜き出し、共通する「環境の条件」を見つける

これだけです。

長所として活かせた経験は2つ以上あればOKです。もし長所として活かせた経験の数が少なければ、巻末特典の「才能を長所から見つける25の質問」に追加で取り組んでみてください。

2つ以上の経験があれば、以下の質問に答えることで、あなたの才能が長所として活かされる環境の条件が一発で見つかります。

  • やっていたこと(仕事・作業・趣味)の特徴は?
    →例:一人で黙々と取り組めることだった

  • そのとき周りにいた人は誰?
    →例:尊敬できる先生がいて教わることができた

1つの才能に対して行ったら、残りの才能でも同じ質問をすることで、活かせる環境の条件を見つけることができます。

POINT
  • まずは長所を活かせるように「クラフト法」→「環境移動法」を実践する
世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド
八木仁平(やぎ・じんぺい)
3ヶ月10STEPでやりたいこと探しを終わらせる「自己理解プログラム」を提供する、株式会社ジコリカイ代表取締役。高知県生まれ。早稲田大学卒業後すぐに独立したものの、お金以外の働く目的を見失って鬱状態に。本当にやりたいことを見つけるため、独自の「自己理解」に取り組む。その手法を発信し始めたところ、ブログは累計2,600万PV。Twitterフォロワー数40,000人超に。「自己理解プログラム」には全国から問い合わせが殺到している。

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