本記事は、新井 一氏の著書『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

事業計画書
(画像=Wakko / stock.adobe.com)

出遅れたら〝金の卵〟は買えないかも!? でも〝銀の卵〟は手に入る

出遅れた人は焦らず、まずは手堅く、入りのフローを増設してください。そのお金の流れから、次の展開を考えましょう。

「そんな小さな原資じゃ、大したリターンにならないと言ったじゃないか」。そう思われるかもしれません。確かにその通りです。ここで大事になるのが、2段目のフロー〝銀の卵〟の構築になります。

〝銀の卵〟とは、増設したフローが自走するように仕組み化することを意味します。

銀の卵をつくる

銀の卵とは、「あなたがいなくてもお金が流れる仕組み」をつくることです。いわゆる金の卵が、不動産などの資産に働いてもらって稼ぐことを意味するならば、銀の卵は、仕組み、システムに働いてもらって稼ぐことを意味します。自ら働いて報酬を得るのではないことは、どちらも同じです。

「それは時間の無駄。先にローンで〝金の卵〟を買うほうが早いよ!」。確かにその通りなのですが、怖くていつまでも検討や先送りをしているよりも、さっさと一歩踏み出せる策を選んだほうが良いのではないでしょうか?

そこで、「じゃぁ、銀の卵が何か、どうつくるのか教えろ!」、そんな声が聞こえてきそうです。詳しくは後で解説しますので、まずは、あなたなりの「フロー増設の設計図」を、ざっくりイメージしておいてください。

1億円稼いでいる人は何をしているのか?
(画像=1億円稼いでいる人は何をしているのか?)

フローを増やしてお金を流す。1億円への第一歩

ところであなたは、毎月のお給料からいくら貯金していますか? その節約してひねり出したお金で、将来への漠然とした不安の根本は消えましたか?

どれだけ節約しても、捻出できる額は知れています。娯楽も楽しめなければストレスもたまってきます。不安を解消するには、生涯、今のレベルを維持した生活ができる収入が見込めること、自分が老いたり、仕事がなくなった場合でも、病気になった場合でも、人に迷惑をかけずに生活できる見込みが立つことが大切です。

つまり、将来の備えに出遅れた人の経済的不安は、複数のフローを増設し、ストックが積みあがっていく仕組み(ポートフォリオ)を整えることによってのみ解決します。

毎月のお給料を増やすことは大変なことです。転職してお給料が上がればラッキーですが、その分、仕事が忙しくなってメンタルもきつくなってしまったのでは笑えません。また、ひとつの収入源への依存度が高くなるほど、潜在的な不安も増大します。大切なのは複線化、そして、リスクの分散です。

では、具体的にはどうしたらいいのでしょうか? その答えは「起業」することです。起業と言っても大したことではありません。あなたがイメージしている1/100程度の大変さです。ですが、大したことはないとは言っても、当面、会社員は続けてください。私のイメージでは、この先、最低でも1年半~2年です。その間に、新しい入りのフローを量産します。そして、そこから得たタネ銭で〝銀の卵〟を構築し、短期間でストックを形成しましょう。

例を挙げてみましょう。関西の企業に勤めているSさんのお話です。彼は電気系エンジニアですが、その技術知識を活かし、副業で中古家電の修理業を始めました。Sさんは、ネットオークションの仕組みを上手に使いこなし、順調に売り上げを伸ばしていきました。

Sさんは次に、彼の修理技術を仲間に伝え、彼が修理をしなくてもいい体制をつくりました。さらに、修理依頼の受付や発送をアルバイトさんに任せることで、業務フローの中にSさんの仕事が組み込まれていない状態をつくったのです。これが彼にとっての〝銀の卵〟になりました。

Sさんは本業からの収入はしっかり確保した上で、自らのビジネスから入ってくる所得を株式投資に回し、さらなる経済的安定を図っています。目標の資産1億円の達成は目前です。

千葉のMさんは、増設した入りのフローで得た資金を新規事業に回し、さらに大きな利益を得ることに成功している会社員です。

マーケティングの専門家として地元企業に勤めるMさんは、新しいフローとして、中国の商品仕入れサイト〝アリババ〟から商品を調達し、日本で販売する輸入ビジネスを始めました。品質問題や、税関トラブルなどさまざまな試練を乗り越え、開始1年を経過し、平均30%ほどの安定的な利益を得ることができるようになりました。

Mさんは、そのフロー増設で得た資金を元手に、レンタルスペース事業を開始。これが彼にとっての〝銀の卵〟です。物件の家賃を輸入販売から得た利益で支払い、さらに利益を出しています。

どちらの事業も外注業者や管理会社と契約することで、Mさん1人で回すことができ、労働集約型ではない(売上と忙しさが連動しない)ことから、この先の事業拡大が見込めます。いよいよ彼の目標とする〝金の卵〟である「マンション一棟買い」も視野に入ってきました。

Mさんは現在、レンタルスペース事業から得た所得で生活費を賄い、本業の会社からもらうお給料は、全額、貯金に回しているそうです。

1億円稼いでいる人は何をしているのか?
(画像=1億円稼いでいる人は何をしているのか?)
リーダーのように組織で働く
新井 一(あらい・はじめ)
1万人の起業をプロデュースした「起業のプロ」。1973年生まれ。 会社員のまま始める起業準備サロン「起業18フォーラム」主宰のほか、インターネットからの集客術に特化した起業家向けマーケティング支援などを行う。 社会との関わり方に問題を抱え、高校・大学と海外スクールに単身就学。帰国後、日本企業に就職するも、人嫌いを克服できず、さまざまな失敗を繰り返す。 社会になじめず、会社になじめず、自分の居場所を探して、15年間、会社員をしながら事業を続け、独立後は「起業のプロ」として起業家を育てる。 特徴は「人生を変えたい」と願う会社員はもちろん、自立を目指す主婦からニート、フリーター、落ちこぼれまで、起業とはほど遠いと思われがちな人材を一発逆転させてきたこと。 「一緒に考える起業支援キャリアカウンセラー」として高い評価を受けている。 主な著書に『会社で働きながら6カ月で起業する』(ダイヤモンド社)、『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』(総合法令出版)などがある。

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