人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「連日の年初来高値更新。米中首脳会談は? IMF成長見通し上方修正」人民元見通し

(通貨8位、株価18位)

予想レンジ 人民元/円20.5-21.0

(ポイント)
*20.729、連日の高値更新
*IMF成長見通し上方修正
*10月貿易収支は輸入だけが伸びる
*米中首脳会談あるか。各国と首脳会談活発化
*外貨準備高の不思議
*中国当局、碧桂園の支配株主を要請
*中国の米国債保有高が8054億ドルに減少
*BYDが過去最高益
*香港3QGDPは改善
 *1兆元の景気対策実施、財政赤字は増加
*9月の鉱工業生産、小売売上はまずまず
*株は弱い
*米が中国へ経済制裁。ウイグル族の強制労働で
*多くの国は中国の14億人の消費とは離れにくい
*対米貿易で首位陥落

(20.729、連日の高値更新)
 人民元円は連日の高値更新、11月8日は20.729円をつけた。昨年の高値20.905にも近づいてきた。円安と強いドルとバスケット制で連動していること、IMFの成長見通し上方修正などが人民元を支援している。

(IMF、23年成長率予想を5.4%に引き上げ)
 IMFは、コロナ危機後の「力強い」回復を理由に2023年のGDP成長率予測を5%から5.4%に引き上げた。24年は4.6%へ減速する可能性があると予想。不動産部門が引き続き低迷し、外需がふるわないためと指摘した。ただ10月予想の4.2%を上回る。
中国は1兆元の新規国債発行を承認したほか、地方政府が24年の国債発行枠の一部を前倒しすることを認めた。生産性の低迷と人口の高齢化が逆風となり、中国の成長率は中期的には徐々に低下し、2028年には3.5%前後になるとの見方を示した。
中国は不動産市場を支援するために多くの政策を導入してきたが、より早い回復と移行期間の経済的コストを抑えるためには一段の措置が必要と述べた。
IMFは「新たな脆弱性の出現を防ぐには、地方政府の財政の透明性向上とリスク監視の改善が必要だ」とし「金融安定に対するリスクは高く、依然として増大している」と述べた。
 
( 輸入は12カ月ぶりに増加、10月貿易収支)
10月貿易収支は、輸入が予想外に増加した一方、輸出は減少ペースが加速した。
輸出は前年比6.4%減(予想は3.3%減)、輸入は3.0%増(同4.8%減)で、貿易収支は565.3億ドルの黒字(同820億ドルの黒字)。
9月は輸出、輸入とも6.2%減少していた。9月の貿易黒字は777.1億ドル。
輸入は12カ月ぶりに増加に転じた。輸入の大幅な改善は、在庫の補充など内需拡大に起因している可能性がある。
今週は、消費者物価などの発表がある。

(米中首脳会談あるか。各国と首脳会談活発化)
 米政府高官は、バイデン米大統領と習近平国家主席の会談について、11月にサンフランシスコで実施することで両国が基本合意したと明らかにした。ただ、詳細については詰める必要があるという。 またこのところ中国は、習国家主席を含めて、各国と首脳外交を繰り広げている。相手国は独、豪、NZなどだ。今日かイエレン財務長官と何立峰副首相と会談する。

(外貨準備高の不思議)
10月の外貨準備高は3兆1010億ドルと、前月から138億ドル減少した。日本が1.2兆ドルなので世界で断トツの外貨準備だ。ただ米国債保有は日本の1兆ドルに対し、中国は約8千ドル。それ以外の2.3兆ドルの詳細は明らかにされていない。