この記事は2024年1月10日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=yukinoshirokuma/stock.adobe.com)

2024年1月10日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

2024年は波乱のスタート。日銀マイナス金利解除や、FRB利下げがテーマとなり、ダウンサイドを意識していたプレイヤーが多い中、年明けのドル円は140円台での取引開始も、先週末には一時145円台後半をつけ5円近く上昇する動きを見せた。

能登半島を震源とする大地震によって日銀のマイナス金利解除が後退したのが背景だ。日銀のマイナス金利解除は4月ではないかとの声が聞こえてくるが、「賃金と物価の好循環」が実現するのには時間がかかるとの見方もあり、マイナス金利解除は年後半へとずれ込む可能性も視野に入れておきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

チャートを見ても昨年2023年11月13日高値と12月19日高値との間に引けるダウイントレンドが年始早々にブレイクする格好となっており、相場の流れに変化がみられている。

大局をみれば日米の金融政策スタンスの違いから生まれる金利差縮小シナリオに変化はないものの、ダウンサイドに目線が行き過ぎるのは危険だ。取り急ぎは次のテーマを待ちたいところだが、明日11日(木)はウィリアムズNY連銀総裁発言と米CPIが予定されている。

前回、ウィリアムズ氏はパウエルFRB議長の「ハト」化を否定し、マーケットで高まっている米利下げ期待を「時期尚早」と一刀両断しており、今回も厳しい顔を見せるのかに注目したい。

また、今週のメインイベントとなる米CPIも、米利下げ時期が見えていないだけに重要度が高まっている。年始から値動きが激しくなっており、高ボラティリティに感覚を合わせて対応していきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。