この記事は2024年6月27日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=enopi/stock.adobe.com)

2024年6月27日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は昨日26日(水)の海外市場で160.80円台まで上昇して38年ぶりの高値を更新した。

財務省の神田財務官が「円安を正当化する状況ではない」などとして市場の動きをけん制したが円安の流れに歯止めは掛からなかった。むしろ、財務官の発言によって円買い介入への警戒感が高まったことで、米長期金利が上昇したため皮肉にもドル高・円安を助長した感さえある。

昨日26日(水)の米国債市場では、日本政府が介入資金のドルを手当てするために米国債を売却するとの思惑が浮上。これが米長期金利の上昇につながったとされる。

仮に「円安進行で介入警戒感上昇=米金利上昇でドル高進行」という不毛な公式が成立するならば、いざ財務省が介入してもドル安・円高の効果はきわめて限定されることになりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は38年ぶりの高値圏とあって、もはやチャート上にめぼしい上値ポイントは見当たらない。次の目途として心理的節目の165円や170円を目指す展開となってもおかしくないだろう。

目先の注目イベントは、本日27日(木)もしくは明日28日(金)中にも発表されるであろう神田財務官の去就(財務省幹部人事)と日本時間の明日28日(金)午前、現地27日(木)夜に行われる米大統領選の候補者討論会、そして明日28日(金)のNYタイムに発表される米5月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)だ。

いずれも不確実性の高いイベントであり、米ドル/円がどれほど反応するかは未知数だが、不確実性が高いだけに注目しておく必要があるだろう。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。