電気料金競争では優位性アリ

SBパワーがFITの価格より高く太陽光電力を買い取るのは一見不思議な戦略だが、同社の戦略を理解するには電力の価格決定の仕組みを理解する必要がある。そもそも、電力業界で需要家と呼ばれる使用者は、基本料金などの電気料金と併せて、再生可能エネルギーの普及促進のために課されるサーチャージを支払っている。

他方で電力会社は、火力や水力、原子力発電で作り出した電力を需要家に供給しながら、FITで定められた価格で太陽光など再生可能エネルギー由来の電力の購入義務が課されている。

東京電力に対しては、この再生可能エネルギー購入により、従来方法の発電を減らせて受けられるメリットとみなされる回避可能費用が11.82円/kWhとMETIの告示によって定められているのが現状だ。

SBパワーなどPPSの回避可能費用は、東京電力など一般電気事業者とは異なっており、METI告示によれば9.34円/kWhで、一般電気事業者のFIT価格より1円高く電気を調達しても、価格競争における優位性を維持できる計算だ。

SBグループが調達費用の低さを武器に電力供給事業でさらにシェアを広げられるか、あるいはどのように展開していくのか注目だ。


電力事業、次の動きは低圧電力小売りの自由化

加えて、SBグループが推進する電力事業で、次の展開として注目されるのが、小規模の事業所や家庭向けの低圧電力の小売り自由化だ。これまでは、50KWの低圧電力以外の小売りはすでに自由化していたものの、家庭や、コンビニなど小規模事業所向けの電力小売りは自由化されていなかった。

2014年1月にすでに、低圧電力の小売り自由化の法案も国会を通過しており、2016年の完全自由化まで秒読み段階に入っている。これにより家庭など電気の消費者が電気の購入先を選択できるようになることから、小口電力の小売りでも電力各社の動きが活発化しそうだ。

(ZUU online)

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