この記事は2024年7月17日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=akiland1982/stock.adobe.com)

2024年7月17日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

トランプ銃撃事件がトランプ大統領誕生の可能性をかなり高めたため、トランプトレードが話題になっている。

トランプ・トレードを実行するための主な戦略は以下の通り。

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1.米国国内株式へのエクスポージャーを増やす
→特にテクノロジーや金融セクターの株式に注目
2.短期債券を選好する
→金利上昇の可能性を考慮し、デュレーションの短い債券を選ぶ
→トランプの財政政策により、インフレ圧力が高まる可能性があるため
3.ドル高に対するヘッジ戦略を実施する
→トランプ政権下では米ドル高傾向が予想されるため、為替リスクに備えたヘッジ戦略が重要になる
4.安全資産への分散投資
→金などの安全資産に一部投資することで、ポートフォリオのリスク分散を図る
5.インフラ関連セクターに注目
→トランプの公約にはインフラ投資の拡大が含まれているため、建設や素材セクターなどに投資機会があるかもしれない
6.貿易摩擦に備える
→特に中国との貿易関係に注意を払い、関税引き上げなどの影響を受けやすい企業や産業を見極めることが重要
7.国内志向の企業に注目する 「アメリカ・ファースト」政策により、国内市場重視の企業が恩恵を受ける可能性がある


われわれが注視するのは、1.米国株への投資、3.ドル高に備える、6.貿易摩擦に備えるで、特に中国との貿易関係に注意を払いたい。3.のドル高に備えるだが、トランプ前大統領がドル高を「大惨事(disaster)」と呼んだことがありドル安を望んでいるというエコノミストもいる。

ただこれは、ドル高が米国の製造業に深刻な打撃を与えると主張したことを材料にしている。過去2年、米国はインフレに苦しんでおり、積極的にドル安を志向するとは考えにくい。これは製造業に対するリップサービスだろう。一般的には米国株高、ドル高とされている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

160円超えの米ドル/円は手をだしにくくなっていたが、当局の介入により米ドル/円が値を下げてきたため今週は米ドル/円の押し目買いで臨みたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。