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総括
FX「トルコはいつものペース。ただ日銀の大規模介入で円高へ」トルコリラ見通し
(通貨最下位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.2-5.2
*今週は6月貿易収支 7月製造業PMIの発表
*トルコ月間7位で踏ん張るも大規模円買い介入で円に抜かれ年間最弱へ
*政策金利決定50%に据え置き、タカ派姿勢貫く
*中銀は現在利下げを検討していない 副総裁
*外貨準備増加で、海外当局からの外貨預金を返済中
*エルドアン大統領、イスラエルの戦争に介入示唆
*ムーディーズが2段階格上げ
*IMFは成長見通し引き上げ
*経済指標は、力強さがない
*6月はCPI低下
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*5月月間予算黒字が過去最大に
*貿易・経常赤字は続く
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入
(トルコ月間7位で踏ん張るも大規模円買い介入で円に抜かれ年間最弱へ)
トルコは月間7位だが、円が例年見られる7月の円高に加え、史上稀なる大規模円買い介入で月間最強となり、年間では、ついに円に抜かれ最弱となった。年間では対円で2.1%安、その差10銭。
株価(イスタンブール100指数)は年初来43.69%で世界で断トツの首位。ただ先週から下落している。
10年国債利回りは28.32%。インフレはやや低下し、海外資金が流入していると言われているが、利回りの低下はまだない。
(政策金利決定50%に据え置き、タカ派姿勢貫く)
トルコ中銀は政策金利を50%に据え置いた。据え置きは予想通り。ディスインフレは強まるとの見方を示しながらも、インフレリスクに引き続き細心の注意を払うと改めて表明した。
インフレ見通しの悪化が予想されれば追加利上げを実施するとしており、今回もこうしたタカ派的な姿勢を改めて表明した。
また、中銀の断固たる「引き締め的なスタンス」を反映し、基調的なインフレトレンドは低下していくと予想。「その結果、ディスインフレのプロセスは強化される」とした。
(中銀は現在利下げを検討していない 副総裁)
トルコ中銀アクチャイ副総裁は、利下げサイクルは現在検討されていないと述べた。早すぎる金利はインフレを再燃させ、インフレが冷え込みつつあるトルコ経済の苦しみを長引かせる可能性がある。
中銀は現在、懐疑的な企業や家計に対し、インフレ率低下の持続期間を確保できる限り引き締め政策を続けると説得しようとしていると述べた。「利下げサイクルは現時点では検討すらされていない」と述べた。「利下げも、われわれが注意深く監視している他の指標とともに、月次インフレの基調的な傾向の長期的な低下が観察されるまでは議題にはならないだろう」と付け加えた。
(中銀、外貨準備増加で国の対外負債を削減)
トルコ中銀は、サウジアラビアとの預金取引を解消したと発表した。
50億ドル相当の取引の終了は、準備金管理の一環として国の対外負債を削減することを目的とする。中銀は、外貨準備が圧迫されていた時期に蓄積された負債を削減するため、外国のカウンターパートから預けられた預金の返還に取り組んでいる。
「国内銀行とのスワップ取引はほぼ廃止し、現在は海外の取引相手との預金契約を見直している」とカラハン中銀総裁は述べた。
一連の通貨危機とリラ防衛のための裏介入により前政権下でひどく損なわれたバランスシートを修復する中銀にとって、今回の返済は新たな節目となるだろう。
中銀は準備金を増やす取り組みの一環として、中国、カタール、韓国、アラブ首長国連邦との取引を含む預金および通貨スワップ協定で約200億ドルを蓄積してきた。