この記事は2024年10月2日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=cassis/stock.adobe.com)

2024年10月2日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

このところの米ドル/円は方向感なく乱高下。

まずマーケットを震撼させた石破ショックで、米ドル/円は146円台から141円台まで急落。しかし、中国政府の怒涛の経済対策で、中国株が暴騰。豪ドル/円が一時100円台まで上昇したことに連れて、米ドル/円も反発。

しかし本日2日(水)日本時間未明、イスラエルに向けてイランが100発以上のミサイルを発射したとの報道で、クロス円が全般的に反落し米ドル/円も再び下落。

米ドル/円はヘッドラインに振り回され方向感なく乱高下しており、「行って来い相場」に巻き込まれて収益を落とすことがないように注意したいところ。

リスクオフでリスクアセットの豪ドル/円も値を下げているが、欧州と比較するとオセアニアをショートにする必要もないと考える。中国株は底堅いままなので、中東情勢にかかわらず、豪ドル/円は押し目買い継続。一方、中東情勢が悪化すると唯一の避難通貨であるスイスフランはロングにしておきたいところ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

マーケットが警戒しているのがSNBの通貨介入。ただ後述する要因で、JPモルガンはSNBの介入の可能性は高くなく、スイス高予測にシフトしたようだ。

退任するトーマス・ジョーダンSNB総裁と就任するマーティン・シュレーゲル総裁は「SNBは大幅な介入に頼る前に利下げを好む」というスタンス。
「介入手段の利用に消極的なことは、ユーロ/スイスフランのショートポジションに安心感がある」 もともとJPモルガンは、ユーロ/スイスフランのショートポジションを欧州の経済活動の勢いの弱さに対する悲観的な見方を示す手段として好んでいる。

(出所:ブルームバーグ)

以上のことからJPモルガンはユーロ/スイスフランの続落を予測しているようだ。

個人的にも介入の可能性が高くないのであれば、中東情勢の悪化からユーロ/スイスフランは戻り売りスタンスで。通常、リスクオフマーケットは豪ドルは弱いのだが、中国株が底堅いことから豪ドル/円のロングは継続。

▽豪ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。