総括
FX「OECDが景気減速の見通し、10年国債利回りは低下」人民元見通し
(通貨4位、株価12位)
予想レンジ 人民元/円 20.0-21.0
(ポイント)
*OECDが景気減速の見通し
*10年国債利回りは年初の2.53%から19.6%へ低下
*11月製造業PMIは上昇、非製造業は低下
*12/7に貿易収支の発表
*GM、中国事業で50億ドル超の損失
*中国政府は米国追加関税を非難
*10月工業部門利益は減少
*トランプ関税引き上げ前の駆け込み輸入、一時的に米貿易赤字拡大、中国は黒字拡大
*若年失業率、10月は17.1%に低下
*対中強硬派のルビオ上院議員を米国務長官に指名
*10月消費者物価伸びず
(人民元11月は11位と弱い、年間では4位)
11月は前半はトランプトレードでドルとともに強く21.60まで上昇したが、後半は日銀の利上げ観測で円が急騰し人民元も20.35まで下落した。
10年国債利回りは年初の2.53%から19.6%へ低下している。
(製造業PMIは上昇、非製造業は低下)
11月の政府版製造業PMIは50.3と前月の50.1から上昇した。予想は50.2だった。
非製造業PMIは50と、前月の50.2を下回った。予想は50.4。
また財新製造業PMIは51.5と前月の50.3から上昇、予想は50.5。
財新サービス業PMIは51.5で前月の52.0から低下。予想は52.5。
(OECD、景気減速の見通し)
OECDは経済予測で、保護主義の再燃で貿易の回復が妨げられなければ、世界経済は今後2年間安定的に成長するとの見通しを示した。
中国については金融・財政政策の緩和にもかかわらず、2024年の4.9%から2025年は4.7%、2026年は4.4%に減速する見込み。備えのための貯蓄が高水準で消費者支出が低迷していると指摘した。
(人民日報=中国成長率、5%未満でも容認できる)
人民日報は、中国は特定の成長率達成に固執していないとし、5%未満の成長でも容認できるとの見解を示した。 「スピード崇拝から脱却せず、やみくもに拡大し無差別にプロジェクトを立ち上げ続ければ、一時的に成長を押し上げたとしても将来の潜在成長力を枯渇させるという代償を払うことになる」と指摘した。「努力の結果、成長率が5%から多少ずれても容認できる」との考えを示した。
(「ドルに代わる新通貨つくるな」、トランプ氏がBRICSに警告」)
トランプ氏は、中国やロシア、インドなど有力新興国の枠組み「BRICS」加盟国に対し、国際貿易で基軸通貨となっている米ドルの地位を揺るがすような行動に出れば100%の関税を課すと自らが運営するソーシャルメディアに投稿した。加盟国が増え、国際経済での存在感を高めているBRICSによる「脱ドル体制」の動きを、関税引き上げを材料に強くけん制した。
IMFによると、外貨準備に占めるドルの割合は2000年の7割超から24年には6割弱に低下している。IMFはグローバル経済の分断がこの傾向をさらに進める可能性があると分析している。トランプ次期政権の高関税政策は分断を悪化させるリスク要因となっている。
(今週は土曜日に貿易・外準発表)
今週は12月7日(土)に11月の貿易収支と外貨準備高が発表される。