主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼9日(月)の為替相場
(1):本邦GDPは上方修正
(2):中国CPI予想を下回る
(3):中国 来年の金融緩和を示唆
(4):石破首相 アコード修正を否定
(5):NY連銀インフレ調査はやや上昇
▼9日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円が売られやすい地合いが続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(月)の為替相場
期間:9日(月)午前7時00分~10日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦GDPは上方修正
日本7-9月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+1.2%と市場予想(+1.0%)以上に速報値(+0.9%)から上方修正。設備投資がマイナス幅を縮小したほか、輸出の拡大がプラスに寄与した。一方で、GDPの5割以上を占める個人消費は+0.7%と速報値(+0.9%)から下方修正された。日本10月経常収支は2兆4569億円となり、市場予想(2兆3471億円)を上回る黒字だった。
(2):中国CPI予想を下回る
中国11月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.2%で市場予想や前月(+0.4%、+0.3%)を下回った。同生産者物価指数(PPI)は前年比-2.5%で市場予想や前月(-2.8%、-2.9%)を上回ったものの、26カ月連続でマイナスとなった。
(3):中国 来年の金融緩和を示唆
中国共産党は中央政治局会議を開催。2025年の金融政策をこれまでの「穏健な」から「適度に緩和的」に変更した。また財政政策に関しても、従来の「積極的な」から「より積極的な」へ変更し積極財政を進める方針を示した。トランプ次期米大統領との第2次貿易戦争に備える動きとみられる。中国の財政拡大や積極的な利下げにつながるとの見方からリスクオンの動きとなりドルや円が売られた一方で、中国と交易関係の強い豪ドルが買われた。
(4):石破首相 アコード修正を否定
石破首相が「現時点で日銀との共同声明を見直すことは考えていない」と発言。政府と日銀による2%の物価上昇目標に関する共同声明(日銀が金融緩和を維持する根拠となっている政策協定=アコード)の修正を否定した。
(5):NY連銀インフレ調査はやや上昇
NY連銀の調査による11月の消費者期待インフレ率は1年先が2.97%と前月(2.87%)から上昇。3年先は2.57%と前月(2.54%)からやや上昇した。