外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年12月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼12日(木)の為替相場
(1):豪利下げ観測やや後退
(2):日銀観測報道
(3):ECB予想通りの利下げ
(4):米PPI予想を上回る

▼12日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:日米金融政策への織り込み進み動きにくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

12日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:12日(木)午前7時10分~13日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):豪利下げ観測やや後退

豪11月雇用統計は、新規雇用者数が3.56万人増と市場予想(2.50万人増)を上回った上に、失業率が3.9%と予想外に改善(予想4.2%、前回4.1%)した。豪中銀(RBA)が今週10日にタカ派スタンスを修正したことから浮上していた早期利下げ観測がやや後退した。

(2):日銀観測報道

ロイター通信は「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」と、関係者への取材をもとに報じた。前日のブルームバーグに続く12月利上げ見送りの観測報道を受けて円が下落した。

(3):ECB予想通りの利下げ

欧州中銀(ECB)は大方の予想通りに政策金利である預金ファシリティ金利を3.25%から3.00%に引き下げた。声明では「ECBはデータに依存し、会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するアプローチに従う」「特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。また、インフレ率が2025年に2.1%、2026年に1.9%、2027年に2.1%になるとの予測を公表。成長率予測については2025年を1.1%、2026年を1.4%、2027年を1.3%とした。ラガルドECB総裁はその後の記者会見で「基調的なインフレ率は2%へ回帰する軌道にある」とした上で、先行きの利下げについては「データ次第」と強調。金融政策は「会合ごとに決定する」方針をあらためて示した。ユーロはやや軟化したが、ECB声明とラガルド総裁の会見はいずれも新味に乏しかったことから売りの勢いは鈍かった。

(4):米PPI予想を上回る

米11月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.4%、前年比+3.0%と予想(+0.2%、+2.6%)を上回り、食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+3.4%と予想(+3.2%)を上回った。同時に発表された米新規失業保険申請件数は24.2万件と市場予想(22.0万件)を大幅に上回り前週(22.5万件)から増加した。