総括
FX「首位に立つ、楽観的な25年の成長見通し」南アランド見通し
「通貨首位、株価13位」
「予想レンジ 南アランド円8.1-8.6」
(ポイント)
*先週末で円とともに最強通貨へ
*各調査機関は25年の成長見通しに楽観的
*今週は消費者物価と小売売上に注目
*S&Pは経済改革の中で南アの銀行部門の回復を予測
*南アの25年GDP成長率は2%に達する可能性 鉱物評議会
*IMFの成長見通し、24年は下方修正、25年は楽観
*トランプ氏の経済政策は波乱要因
*最大貿易相手国の中国の動向も注視したい
*二つのPMIが弱い
*1月は0.25%利下げがやや優勢もランド相場次第か
*リセッションとなるか。3Qはマイナス成長
*水のインフラ整備が重要
*対米関係は AGOAに注目
*南ア、12月1日からアフリカ初のG20議長国に就任
(首位に立つ)
意外にも南アランドが円とともに1月の首位に立った。昨年は6月の連立政権樹立後、運営も順調、停電もなくなったことで12月まで首位を維持したが、リセッション懸念もあり首位から陥落していた。後述するが今年の南アを楽観視する調査機関も多いことが今回の上昇を支えている。最大貿易相手国の中国の4QGDPが改善したこともあった。株価指数は年初来0.72%高、10年国債利回りは9.2%。
(今週は消費者物価と小売売上)
今週は12月消費者物価の発表がある。予想は前年比3.0%上昇、前回は2.9%上昇。コアは4.3%上昇、前回は3.7%。インフレターゲットは3-6%。
11月小売売上の予想は前年比4.0%増、前回は6.3%。
(S&Pは経済改革の中で南アの銀行部門の回復を予測)
S&Pによると、南アの銀行の収益性は、信用の伸び率の高さ、非金利収入、引当金の減少に支えられ、今年も堅調に推移すると予想されている。
国民統一政府(GNU)が推進する経済改革の勢いの改善と、インフラの欠陥への取り組みの継続的な進展により見通しが改善するとのことだ。
S&Pは「大半の銀行の格付けについて前向きな見通しを持っている。これは南ア経済の見通しを反映している」と述べた。
(南アのGDP成長率は2%に達する可能性 鉱物評議会)
エスコムの電力供給の改善により、2025年に南アのGDP成長率は2%に達する可能性がある。鉱物評議会は2024年のエスコムの電力供給率は平均60.1%で、前年の平均55%から大幅に改善した。
鉱物協議会は、エスコムからの電力供給が安定的に継続していることが今年の経済成長に恩恵をもたらすとみており、200日以上停電がないことによる南アフリカのGDPの今年度の上限2%への上昇が見込まれるとした。
トランスネットとポートネットが正常に戻れば、鉄鉱石と同様に南アの石炭鉱山会社は好調になる。しかし、世界的なサプライチェーンの混乱、トランプ氏の米国大統領選出に伴う国際貿易政策の複雑化、コスト圧力などが、主要鉱物輸出国の見通しを圧迫すると見られている。