メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「トランプリスクでも健闘のメキシコだが、怯える日本の円高でペソ円下落」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.1-7.6

(通貨4位、株価3位)

 (ポイント)
*関税問題では現在米国と交渉中
*鉄鋼アルミ貿易は米国の黒字
*ペソも強いが円がリスク回避で怯えて強すぎる
*ペソ4位、対円で弱く、対ドルで強い。株価堅調
*メキシコ中銀議事録は3月も0.5%利下げ示唆
*中銀、予想成長率を0.6%に引き下げ
*今週の指標
*トランプ関税は米自動車に打撃
*景気は減速気味
*2030年までにGDPトップ10入りが目標、大統領
*2024年の米国への貿易黒字は過去最高を記録
*S&Pがメキシコの財政運営を評価
*ペソ安に介入不要、メキシコ中銀ロドリゲス総裁
*司法制度の混乱続く、最高裁判事8名が同時に上院に辞表
*IMF成長見通し下方修正。メキシコ中銀、OECD、世銀に続く

(ペソ4位、対円で弱く、対ドルで強い。株価堅調)
ペソは対円では弱く、対ドルでは強い。世界的なリスク回避の流れで円が独走し始めた。頻繁に打ち出される大胆なトランプ政策による米国の先行きが不透明となり、株価は為替と違ってリスク回避の流れでは日本株中心に株価は売られている。従来の世界的リスク回避の流れだ。まだ流動的で、不確実。落ち着くまで時間がかかりそうだ。
 
(株価は強い)
 株価(ボルサ指数)は米株より強く年初来9.68%高(NYダウは3.84%高、ナスダックは3.37%高)10年国債利回りは10.29%(年初は10.83%)。

(メキシコ中銀議事録は3月も0.5%の利下げ示唆)
*参加者=3月にさらに50ベーシスポイントの金利引き下げを検討する可能性がある
*ある委員=インフレ率は3%目標に向けて正しい方向に進み続けており、基準金利の引き下げサイクルを継続する余地がある。
*ほとんどのメンバー=インフレは以前の予想通り引き続き低下すると予想している
*メンバー全員=コロナ禍とウクライナ紛争の影響によって引き起こされたインフレ問題への対応で大きな進展があった。
*ほとんどのメンバー=国内需要に関しては、民間消費が引き続き減速している。

(中銀、再び予想成長率を0.6%に引き下げ) 
 既にIMFや民間調査機関もメキシコ成長率を下方修正しているので驚くべきことではないが、中銀が改めて成長見通しを下方修正したので市場は反応した。ただペソ円の下落は円の上昇が主だ。
 中銀は、2025年の成長率見通しを従来の1.2%から0.6%と半分に引き下げた。景気後退に突入し、最悪ならマイナス0.2%に落ち込む可能性も視野に入れている。
中銀は「今年は、国内外の要素に起因する高い不確実性のため、経済がさらに減速しかねない」と説明。トランプ米政権の移民政策や通商政策などがメキシコの成長率見通しにとって「重大な」試練になるとの見方を示した。
物価上昇率については今年4Qの前年比を3%から3.3%に引き上げ、目標とする3%に収まる時期は遅れると予想した。 ただ物価上昇が鈍化傾向という環境下で、利下げの継続は可能になる公算が大きいと強調した。

(今週の指標)
景気は減速気味であるが今週は12月小売売上、4Q・GDP確定値、12月経済活動指数などの発表がある。
12月小売売上は前年比で0.2%減少、11月は1.9%減少。前月比では0.1%増、11月は0.2%増。