メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「トランプ関税で優遇、市場好反応。ただリセッション懸念あり」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.1-7.6

(通貨5位、株価6位)

 (ポイント)
*メキシコは米関税ではUSMCAに基づき優遇される
*メキシコへのトランプ関税は、免税と課税の2通り
*市場は関税に関し好反応、ペソは安定、株価は上昇
*ただリセッション懸念もあり
*メキシコ大統領、鉄鋼、製薬、農業産業の強化策を発表
*指標は引き続き弱い。利下げ観測あり
*メキシコ中銀 2回連続で0.5%の利下げ
*OECDの成長見通しは大幅下方修正
*USMCA同時リセッションもあるが、関税でライバル国の結びつきが強化される意見もあり
*24年の米国への貿易黒字は過去最高を記録
*S&Pがメキシコの財政運営を評価
*ペソ安に介入不要、メキシコ中銀ロドリゲス総裁
*司法制度の混乱続く、最高裁判事8名が同時に上院に辞表

(メキシコへのトランプ関税は、免税と課税の2通り)
トランプ大統領による「相互関税」では米国と自由貿易協定=米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を結ぶメキシコには全面的な関税適用が免除されることになった。
 しかし、両国を経由して米国に流入した合成麻薬や不法移民の問題で発動済みの関税に従い、協定に準拠する米国への輸出品は引き続き関税がゼロ、それ以外(鉄鋼・アルミなど)は原則的に25%の関税が課せられる。
 メキシコは「状況の悪化を招く」として報復措置は見送る構えだ。
シェインバウム大統領は「目には目を、歯には歯をという考えは状況の悪化を招く」として、報復関税に否定的な考えを示してきた。米国と「対話」を続け、譲歩を引き出したい考えだ。
 
 ただ24%課税の日本や他国の高関税と比較すればメキシコは優遇されている。それに市場も好反応している。

(関税発動、政策金利引き下げもペソは安定、株価は上昇) 
4月2日の関税発動後は対円で0.14%安、対ドルで2.08%高。ボルサ株価指数は0.54%高。
10年国債利回りは9.27%から9.37%へ上昇。
 米トランプ関税で世界の多くの株価市場が急落しているが上述の対メキシコ関税の配慮でメキシコ市場は落ち着いている。ペソも他の高金利通貨程大きくは下落していない。

 年初来では対円2.92%安、対ドル4.31%高、ボルサ指数は9.24%高。10年国債は年初の10.83%から9.37%へ低下している。
 
(指標は引き続き弱い。利下げ観測あり)
 今年はリセッションを予想する調査機関もあるが、引き続き指標は弱い。3月企業信頼感指数は49.9(前月50.3)、3月製造業PMIは46.5(同47.6)。
 本日は3月消費者信頼感指数の発表がある。
 来週は3月自動車輸出・生産、消費者物価、2月鉱工業生産、中銀議事録の発表がある。

*中銀は今後の会合でも0.5%の利下げを検討する可能性があるとした。

(仕送り=郷里送金が減少)
 2月の海外からのドル送金額は44億5900万ドルと、前年同月比0.8%減少した。

(リセッション観測もあり。政府、今年の成長率見通しを1.5-2.3%に引き下げ)
政府は今年の経済成長率見通しを従来の2.0-3.0%から1.5-2.3%に引き下げた。 下方修正した理由として住宅投資の弱まりと、昨年終盤から続く供給ショックがある。「さらに主として米国の通商政策を巡る不確実性が企業を慎重にさせていることも要因だ」としている。
24年4QのGDPが減少しており、今年1Qもマイナスならば景気後退に陥る。投資家心理の冷え込みやトランプ米政権による関税の脅し、長引く干ばつなどが逆風となっている。
メキシコ中銀の2月時点の今年の成長率見通しはマイナス0.2-プラス1.4%と幅が広い。この日中銀が公表した民間アナリストの予想平均はプラス0.5%。
 政府予算案で示された今年の財政赤字のGDP比は3.9-4.0%。今年末の物価上昇率は3.5%と2月時点の3.77%からやや切り下がった。