
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月14日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼11日(金)の為替相場
(1):英月次GDP 予想を大きく上回る
(2):中国 対米関税引き上げ
(3):ECB総裁 「利用可能な手段をいつでも使う」
(4):米PPIは低下
(5):米期待インフレ率 大幅に上昇
(6):ホワイトハウス報道官「中国との取引に前向き」
▼11日(金)の株・債券・商品市場
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11日(金)の為替相場

期間:11日(金)午前6時10分~12日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英月次GDP 予想を大きく上回る
英2月国内総生産は前月比+0.5%と市場予想(+0.1%)を上回り2024年3月以来の高い伸びとなった。また前月分は-0.1%から±0.0%へ上方修正された。同時に発表された英2月鉱工業生産は予想(前月比±0.0%)を大きく上回る+1.5%となった。一方で英2月貿易収支は19.56億ポンドの赤字(予想14.00億ポンドの赤字)だった。
(2):中国 対米関税引き上げ
中国政府は12日から対米関税を84%から125%へ引き上げると発表。ただ、「現在の関税率では米製品はもはや中国では売り物にならない」とし、米国が中国に対して関税を賦課し続けても「中国側は取り合わないだろう」との方針を示した。
(3):ECB総裁 「利用可能な手段をいつでも使う」
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は、「ECBは監視を続けており、利用可能な手段をいつでも使う用意がある」「過去においても物価安定を確保するために、必要に応じて適切な手段やツールを駆使してきた」「もちろん金融安定も同様だ」と語った。ただ、17日にECB理事会を控えているため、金融政策に関するコメントは差し控えた。
(4):米PPIは低下
米3月生産者物価指数は前月比-0.4%、前年比+2.7%と市場予想(+0.2%、+3.3%)を下回った。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前月比-0.1%、前年比+3.3%と予想(+0.3%、+3.6%)を下回った。全般的に米国のインフレが落ち着いている内容となったものの、トランプ米政権による大規模な追加関税が課される前のデータだったことから、市場への影響は限定的だった。
(5):米期待インフレ率 大幅に上昇
米4月ミシガン大消費者態度指数・速報値は50.8と市場予想(53.8)を大幅に下回り、2022年6月以来の水準に低下した。消費者の期待インフレ率は1年先が6.7%と前月の5.0%から大幅に上昇し1981年11月以来の水準となった。また5-10年先の期待インフレ率も4.4%となり1991年6月以来の水準に上昇した。
(6):ホワイトハウス報道官「中国との取引に前向き」
米ホワイトハウスの報道官は、「中国は報復措置をとるべきではない」としたうえで、「トランプ大統領が中国との取引に前向き」だとの認識を示した。また相互関税を90日間停止した貿易相手国との交渉を巡り、「トランプ大統領は90日が過ぎる前に良い取引が成立することを期待している」と述べた。