
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月16日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼15日(火)の為替相場
(1):RBA議事録公表
(2):英失業率は悪化
(3):米中貿易戦争激化懸念高まる
(4):独ZEW 大幅に低下
(5):NY連銀製造業景気指数は2カ月連続で縮小圏
(6):米EUの交渉は進まず
▼15日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値が抑えられやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(火)の為替相場

期間:15日(火)午前6時10分~16日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事録公表
豪中銀(RBA)は3月31日-4月1日に開催した理事会の議事録を公表。米国の貿易政策を巡る「世界情勢が理事会の政策決定に与える影響は、豪州の経済活動、インフレ、雇用への影響次第である」とし、今後については5月の会合は「金融政策の在り方を見直す好機」としつつも、「入手可能な情報から判断すると順調に進んでいるものの、次回の金利変更時期を確定することはまだ不可能である」と示した。
(2):英失業率は悪化
英12-2月週平均賃金(除賞与)は前年比+5.9%と市場予想(+6.0%)ほど前月(+5.8%)から上昇しなかった。同失業率は4.4%と予想通りに11-1月から横ばいとなった。なお英3月失業保険申請件数は1.87万件、同失業率は4.7%でいずれも前月(1.65万件、4.6%)から悪化した。
(3):米中貿易戦争激化懸念高まる
中国は米国による最大145%の関税への報復として、国内の航空会社に対して米ボーイング社の航空機の追加納入を停止するように指示したとの報道が伝わり、米中貿易戦争激化への懸念が高まった。
(4):独ZEW 大幅に低下
ドイツ4月ZEW景気期待指数は-14.0と前月51.6から急低下した。ZEW(欧州経済センター)は「相互関税が世界貿易におよぼす影響だけでなく、その変化の大きさが世界的な不確実性を高めている」と指摘した。同時に発表されたユーロ圏4月ZEW景況感調査は-18.5と前月(39.8)から大幅に低下した。
(5):NY連銀製造業景気指数は2カ月連続で縮小圏
米4月NY連銀製造業景気指数は-8.1と市場予想(-13.5)を上回ったものの、2カ月連続で縮小圏に止まった。構成項目では6カ月先の景況見通しが悪化。仕入れ価格と受け取り価格の見通しが上昇する一方で、受注見通しがマイナスに落ち込んだ。受注見通しは2001年以降で最低となった。
(6):米EUの交渉は進まず
一部報道で「米国と欧州連合(EU)の関税交渉はほとんど進展しておらず、米国の関税は維持される見通し」報じられた。ユーロを中心にストレートドルでのドル買いが進んだ。ドル/円はクロス円の下落につれた。