外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年7月14日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 神田卓也

目次

▼11日(金)の為替相場
(1):米大統領 カナダ首相へ書簡送付
(2):英経済指標 多数発表
(3):ECB専務理事「金利は適切な水準」

▼11日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値が軽い一方で下値は堅い展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

11日(金)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:11日(金)午前6時10分~12日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):米大統領 カナダ首相へ書簡送付

米国のトランプ大統領は、カナダのカーニー首相に宛てた書簡をSNSで公表し、同国からの輸入品に8月1日から35%の関税を適用すると明らかにした。これを受けてカナダドルが急落すると、クロス円はカナダドル/円の下げに引っ張られる形で下落した。ただ、米当局者によれば米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の対象品目への関税免除措置は維持される見込みであり、カナダへの追加関税に数字ほどのインパクトはないとの見方からカナダドルが持ち直すとクロス円も切り返した。ドル/円は、トランプ関税が米国の物価を押し上げるとの観測から米長期金利が上昇したことを背景に堅調推移が続いた。なお、トランプ大統領はこれより前に「新たな関税率を提示していない大多数の貿易相手国に対し、15%ないし20%の関税を一律に課す予定で、これから数字を詰める」と発言。また、欧州連合(EU)に対しても一両日中に税率を記した書簡を送る考えを示していた。

(2):英経済指標 多数発表

英5月国内総生産(GDP)は前月比-0.1%と市場予想(+0.1%)に反して減少。伸び率は2カ月連続でマイナスとなった。英5月鉱工業生産は前月比-0.9%と予想(-0.1%)を大幅に下回った。同貿易収支は216.88億ポンドの赤字で、赤字額は市場予想(210.00億ポンド)よりやや多かった。

(3):ECB専務理事「金利は適切な水準」

欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事は、「インフレ率は(目標の)2%で推移すると予測されており、インフレ期待も十分に安定している」と発言。その上で「この点を踏まえると、金利は適切な水準にあり、追加利下げのハードルは非常に高い」と述べた。また、ユーロ相場の上昇については、経済見通しの改善を反映したものであり、インフレへの波及効果は限定的だとして、過度に懸念しない考えを示した。