トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括


(通貨最下位、株価12位)

予想レンジ トルコリラ/円3.4-3.9

*経済団体は、利下げとリラ安を要求
*年間では対円16.97%安、対ドル13.17%安
*クーデター未遂事件から9年
*政府は野党を抑圧
*直近の指標は悪くはない
*1ドル40リラのせ
*PKKの武装解除は莫大な経済利益をもたらすか
*次回政策金利決定は7月24日。
*米国の対トルコ関税率は未発表
*リラ安の主因=トルコの外貨預金が規格外に大きい

(年間では対円16.97%安、対ドル13.17%安)
 現在、年間では対円16.97%安、対ドル13.17%安、イスタンブール100株価指数は4.02%高、10年国債は29.87%と30%を割り込んできた。
 対円で5月以降、小康状態なのは円が海外投資増で円安が進んだからでトルコに良い材料があったわけではない。対ドルでは1ドル40リラに乗せてきた。

(クーデター未遂事件から9年)
2016年7月15日のクーデター未遂事件から9年。クーデターを防いだエルドアン政権は、さらに強権政治を強めているのが現状だ。支持率では与党AKPより高い野党CHPへの抑圧は最近厳しくなってきた。高まる国民の不満を抑え続けられるだろうか。

 2016年7月15日のリラ円相場は36.55であった。

(トルコ政府、イスタンブール・シレ地区の野党市長を逮捕)
トルコ国営アナドル通信によると、イスタンブールの裁判所は、イスタンブール・シレ地区の野党主要市長であるオズグル・カバダイ氏を含む5人の逮捕を決定した。容疑者は、犯罪組織の設立、贈収賄、恐喝、談合の罪に問われている。

(経済団体は、利下げとリラ安を要求)
 独立産業家・実業家協会のオズデミル会長が、中銀は早ければ今月にも利下げを再開すべきだとし、延期は「遅すぎる」と述べている。
 
オズデミル会長は「7月に3.5-4.0%の利下げが適切だと考えている」と語った。
さらに、トルコリラの価値は輸出業者が望む水準には達していないとし、現在の実質金利は為替レートに比べて高すぎると指摘した。

「年末時点では1ドル43~45の範囲になると予想されているが、輸出業者の観点からすると45を下回ることはないはずだ」と付け加えた。

リラは今年に入ってから11%以上下落している。火曜日の対ドル為替レートは40リラ強で取引された。
「国内の輸入量指数の上昇を見ると、これはもはや輸出業者だけの問題ではなく、国内で製造・販売する国内生産者にとっても重要なポイントとなっている」とオズデミル氏は述べた。

(今週の経済指標は悪くはない)
5月小売売上は前年比17.7%増、前月は11.7%増。
6月自動車生産は前年比7.8%増、前月は1.7%増

5月鉱工業生産は前年比4.9%増、前月は3.1%増
5月経常赤字は6.84億ドル、前月は78.6億ドル。

次回政策金利決定は7月24日。