金融サービス

こんにちは。今回の記事を担当しますE.Nと申します。

建国以来、アメリカの富豪の多くは「寄付」と「社会貢献」に積極的だったといわれて来ました。自由主義、資本主義の代名詞、アメリカ合衆国ですが、由来はイギリスから渡ってきた人たちの「価値観」でした。日本でも莫大な財産を築いた人たちは、富の使い道に気を使いました。

ですが、昨今はその富が現金や不動産だけ、とは限りません。流動資産の形成が進み、それによって富裕層の形が変化してきているのです。ここでは、変化し続ける富裕層の形とこれからを記してみたいと思います。

【参考】

大物達の資産管理〜スイスプライベートバンクから学ぶ金融機関の選び方[前編]〜
大物達の資産管理〜スイスプライベートバンクから学ぶ金融機関の選び方[後編]〜
米国視察を通して見えたもの 前編〜世界の最新FP事情に学ぶ資産運用業界の未来〜
米国視察を通して見えたもの 後編〜最先端FP達に学ぶ資産管理ビジネスの未来〜
意外と知られていない富裕層向け金融サービス〜”信託銀行”と”銀行”の違いとは?〜


◉従来の富裕層の形

日本の富裕層の多くは、数世代に亘って引き継いできた「土地」「産業」を家業として現在もオーナーとして株式や土地の所有などで収入を得て来ました。何代も続く家を「旧家」と呼び、相続を繰り返しても財産の散逸を避ける努力がなされてきました。

こういった「旧家」は、現在は「オーナー企業経営者」と呼ばれ、一族経営で基盤を磐石にしてきました。彼らの多くは創業者利益が発生します。以前は事前に上場する直前に株式を購入し、多額の利益を出してから売却するなどの手法が認められていました。また、経営者ではなく、筆頭株主となって多額の配当を得るなど、安定した財産形成が可能でした。


◉新しい富裕層の形と特徴

これに対して、今多く生まれているのが新しい富裕層です。大きな設備投資を必要としないIT技術産業、為替の変動を利用した輸出入産業、海外で生産拠点を持つ電器産業、組織組合を介さない独立した農業生産法人、金融派生商品で利益を作り出す人々‥と、その顔色は様々です。

中でも、新しい産業創出で富裕層に仲間入りした人々、スポーツ選手や芸能界といった特殊な才能によって富を得た人たちの場合は、その収益が常に安定しているわけではありません。そのため、大概が個人事業主か契約社員の形を取っています。安定した継続収入の保証がなく、富を稼ぐ期間が限られている場合は、老後の収入確保や怪我や病気の際の所得保障がありません。こうした人々は自分で自分の財産を管理運営することが求められます。