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2014年10月の追加金融緩和、いわゆる「黒田バズーカ2」で、日本銀行はJ-REITの買入れペースを年間300億円から3倍の約900億円へと大幅に増加させた。また、長期国債の買入れを年間50兆円から80兆円に増加させ、買入れの平均残存期間も7年から10年程度に最大3年延長することが決定。長期国債買入れによる、長期金利の低位安定は、相対的に高金利であるJ-REITへの投資へと繋がる可能性が高い。これらを考えると、2015年もJ-REITは投資妙味があるといえるのではないだろうか。

2015年に注目すべきJ-REITの銘柄は何だろうか。一口にJ-REITと言っても、オフィス型や住宅型、商業施設型、物流施設型、ホテル型などがあり、それぞれ投資対象となる不動産が異なる。これらは特化型と呼ばれ、オフィス型と住宅型のセットのように、2つの不動産を組み合わせて運用するタイプを複合型という。また、特定の分野に制限せず、さまざまな不動産へ投資するものを総合型と呼ぶ。今回はその中でもホテル型に注目してみたい。


拡大する国内旅行市場で恩恵を受けるホテル型リート

ホテル型の魅力は他のJ-REITと異なり、地域の居住人口や就労人口に影響されないことだ。投資先の地域を訪れる人口の宿泊需要を取り込むことが可能なため、地方の過疎化による不動産価格、賃料下落の影響を受けにくい。観光庁が公表している2013年度の主要旅行代理店の国内旅行取扱高は4.1兆円と前年度比6.0%増加。

一方、同年度の海外旅行取扱高は減少しており、昨今の円安進行により、旅行先が海外から国内へのシフトが進んでいると考えられる。また、2007年の観光立国推進基本法制定以降、国策として訪日外国人旅行者誘致を積極的に展開。金融危機や新型インフルエンザ等の影響で一時的な落ち込みもあったが、状況は好転している。日本政府観光局(JNTO)によると、2014年は訪日外国人旅行者数が1,341万4000人に上り、過去最高を記録。円安、東南アジア向けのビザ発給要件の緩和などが追い風となった。

国内宿泊の増加はそのままホテルの稼働率に直結、稼働率上昇は収益改善へとつながる。2020年の東京オリンピックに向けた訪日外国人の増加等、国内ホテル需要は中長期的に堅調に推移すると考えられ、今後も円安が進めば、この流れはさらに加速するだろう。