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(写真=Thinkstock/Getty Images)

過労死裁判が持ち上がるなど、ユニクロなどと並び“ブラック企業”と批判されてきたワタミ <7522> が、厳しい状況に立たされている。かねてから噴出していた“ブラック企業”との批判や、政府・日銀で推進する“脱デフレ”の流れに押されているのか、なかなか苦境を脱出できずに喘いでいる。

同社は、元正社員が過重労働により自殺したとして訴えられるなど、労働問題に直面し、外部から有識者を招いて業務改革を進めるなどしている。公表されている資料によれば、こうした事件を受けて、従業員への労務負荷の軽減や店舗の削減、メンタルヘルスサポートの充実などが図られていた。

他方で、安倍政権もブラック企業への批判に対しての取り締まりの強化に一定の理解を示すなど、巷間で“ブラック企業”と名指しされるユニクロなどと共に、厳しい視線に晒されてきた。

ほかにも、黒田日銀総裁が旗を振って推進してきた量的・質的金融緩和など“脱デフレ”を目指す政策も物価の上昇を招くなど、低価格をウリにしたビジネスの逆風となっているとみられ、ワタミにとっても事業環境は厳しいと言えそうだ。

実際に、ワタミが2月9日に発表した第3四半期(3Q)決算でも、業績悪化が目立つ。具体的な数値では、売り上げが1179億8000万円となり、4.2%の減。営業利益は3億2500万円の営業赤字となり、経常利益も14億2600万円と大幅な赤字という結果に落ち着いた。加えて、四半期純利益も56億4500万円の赤字で決着した。

セグメント別の状況も厳しく、国内外食事業では、新規出店が9店に対して、58店舗を閉鎖し、縮小。既存店売上高も、前年比で93.4%と実績を下回った。ほかにも、決算資料では、介護事業において、施設を新規建設し拡大を続けているものの、新規入居者数が想定を下回り、セグメントの利益が前年比で75.3%となるなど低調だ。宅食事業でも、売上高が304億400万円と同期比92.3%。同利益も18億1000万円と前年同期比で約3分の2(65.4%)の水準まで落ち込んだ。同社にとっては、引き続き、困難な環境が続きそうな様子がうかがえる。

(政治経済ジャーナリスト 上杉学)

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