盛り上がる北陸銘柄 来期以降の「北陸新幹線効果」も期待大

現在の長野新幹線が金沢まで延長され「北陸新幹線」と名称が変更される。3月14日の開業を控え、北陸の企業に注目が集まっている。北陸新幹線で一番早い、「かがやき」を使えば、東京から金沢まで、2時間28分で行くことができる。


北陸新幹線の開業により幅広い銘柄に注目あつまる

北陸新幹線の開業により、観光客(インバウンドを含む)やビジネス客の増加が見込まれることから、宿泊施設、百貨店、外食産業など、売上の増加が見込まれる。株価との関連では、地元百貨店や観光誘致のための設備投資の増加が見込めることから、金融機関や建築関係、さらにはビジネスチャンスが増えるという意味で北陸に本社のあるメーカーなど幅広い銘柄に注目が集まっている。

百貨店では、金沢に本社がある老舗百貨店の大和 <8247> が注目銘柄としてあげられる。2014年12月には150円程度の株価であったものが、1月9日には年初来高値の318円の値をつけている。1カ月で倍以上の値段になっている。大和は、希望退職を募るほか、2010年に長岡店、上越店、新潟店、小松店の4店を閉店するなど、リストラを進め、収益構造も改善している。3月以降、気候も良くなり、首都圏から観光客が増加すれば、地元百貨店として売上の増加が見込まれるだろう。ただ、株価は既に高値になっており、これから投資をする場合には注意が必要である。

金融機関銘柄としては、富山銀行 <8365> 、ほくほくフィナンシャルグループ <8377> 、北國銀行 <8363> などがある。富山銀行は、昨年10月に東証2部に上場したばかりなので、過去からの比較はできないものの、上場以来、順調に株価を上げてきている。北陸銀行と北海道銀行を傘下に持つほくほくフィナンシャルグループは、公的資金も全額返済し、業績も回復していることもあり、株価も順調に推移している。北國銀行は、石川県を地盤とする銀行であるが、経常利益を伸ばしており、北陸新幹線効果とあいまって、株価も2月17日に422円と年初来高値をつけている。以上のようにいずれも好調で、株価は既に高値となっている。

北陸に本社がある企業で有名なものとしては、ジェネリック最大手の日医工 <4541> 、ディスプレイ装置の専業メーカーであるEIZO <6737> 、コンピュータ周辺機器メーカーのアイ・オー・データ機器 <6916> などがある。株価を見ると、EIZOやアイ・オー・データ機器については、顕著な上昇は見られない。

一方、日医工は2014年7月以降、右肩上がりの上場を続けている。もっともこれは、ジェネリックの売上が好調なのが要因であって、北陸新幹線開業を見込んだ上昇ではないと思われる。北陸にある企業に注目が集まることによって、株価の上昇は期待されるものの、北陸新幹線の開通が直接に業績に直ちに影響を与えるものではないので、今後注意深くみていく必要がある。

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