IPO投資


株高の流れに乗るには?

アメリカ株の変調をものともせず、執筆時点でまもなく2万円に迫ろうかという日経平均株価。この堅調さの背景には、いわゆるアベノミクスによる景気回復期待、公的機関による買い支えなどさまざまな要因がある。

そのような環境の中、NISAの開始により株に注目する個人投資家も増えている。今回はそんな個人投資家の方に向けて、「IPO投資法」と呼ばれる取引方法をご紹介しよう。


IPOとは

まずは「IPO」という用語について説明する。IPOとは、「新規公開株」のことを指す。新規公開株とは、これまで一般に取引することができなかったものの、東証一部やジャスダックなどに上場させることで売買できるようになる株のことである。

企業側にとっては市場から資金を調達する有効な手段であるが、投資家にとっても大きな利益を上げる可能性があるのが、このIPOを利用したIPO投資法なのだ。

そんなIPO投資法で重要なことは「運」である。運任せで投資をするなんて、とお怒りになる方も多いかと思われるが、あくまで購入に参加できるかどうかを運に任せるということなのでご安心願いたい。


IPO投資法①:IPO銘柄の買い方

IPOとなる株は、証券会社を通じて売り出される。どの証券会社でもいいかと言われるとそうではなく、証券会社ごとに売り出される株の数は決まっているので注意が必要だ。

また、個人投資家の場合はネット証券会社を利用するのがよいだろう。なぜなら、店舗型証券会社では、大口投資家に優先して株を配分する傾向があるからだ。
証券会社を選んだら、株数と購入価格を提示して申し込む。購入できる株数は決まっているケースが多く、また購入価格についても範囲内の上限でしか買えないケースが多い。

無事申し込みを終えたら、後は結果を待つだけだ。人気の銘柄ほど抽選倍率が高くなるため購入できる可能性は低い。「IPO投資法の鍵は運」とはそういうことなのだ。


IPO投資法②:IPO銘柄を売却するタイミング

さて、無事に購入することができたら最後の仕上げ、上場当日を待つ。IPO銘柄はそれだけで市場の注目を集めるため、購入した価格よりも高い初値をつける可能性が高い。

初値をつけた時点でしっかり売り切ることで利益を確保するのが、このIPO投資法のキモなのである。もちろん株の世界で絶対ということはないが、すでに市場に出回っている株を手当たり次第売買するよりは利益を出す確率が高い方法だと言える。

長期保有をしないというルールも、リスクを抑えたい投資家向けだ。


IPO銘柄はすぐ売らなければならないのか

IPO投資法の基本からは外れるが、IPO銘柄を必ずしも初値で売却する必要はない。各会社の事業内容や決算資料などを精査した上で、保有し続けるというのはひとつの投資スタイルとしてありだろう。

ただ最近では、「上場ゴール」という言葉が話題になっている。上場した途端に業績が低迷したり、業績に影響しかねないトラブルが発覚するなど、上場に向けてかなり無理をした結果、上場を終えて息切れするという意味で上場ゴールと言われるのだが、上場前の企業は情報が少なく、そういった要因をIPO前の段階で見極めるのは困難だ。やはりリスクを抑えるには、初値で売却するIPO投資法が比較的安全と言える。


IPO投資で投資家デビュー

2015年は秋に日本郵政の上場が予定されている。また、同名の通話アプリが人気のLINEも2015年度内の上場を目指し東証へ再申請した。これまで投資に無縁であった方でも、それほど知識や経験を必要としないIPO投資法を利用して、株の世界に踏み込んでみてはいかがだろう。

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