留学生への過度な期待は衝突の原因
結局のところ、企業がどのような人材を求めるかにもよるが、海外に支店がなくても、外国人を雇うメリットは大きいだろう。具体的には、(1)マーケットの成長が見込まれるアジア諸国の文化を知っている留学生が数多くいるので、マーケティング戦略を考える上で、重宝する。(2)母国語はもちろん、英語や日本語の能力もあり、国内外での意思疎通がしやすく、海外の調査や海外での手続き、翻訳などの分野で即戦力となる活躍が期待できる。
(3)異文化の従業員と交流をする中で、既成概念にとらわれることなく、問題点を指摘しやすくなり、また、あらたなアイデアも生まれるなど組織の活性化が期待される。(4)海外の人的ネットワークを活用できるため、新規に海外で事業展開をする場合、スムーズに取引を開始することができる。
一方で、リターンがあればリスクもあるので、外国人を採用する企業はそれも踏まえなければならない。留学生なので日本の文化にはある程度慣れていても、長年培われた母国の文化・習慣も持ち合わせているため、文化的違いによる衝突もありえる。「あうんの呼吸」といった日本的なあいまいな文化が理解できず、トラブルに発展することもあるだろう。
留学生を採用する場合、メリットとデメリットがあるが、今後グローバル化がますます進んでいくことを考慮すると、海外展開の可能性がある企業はもちろんのこと、そうでない企業においても、組織活性化の観点から、留学生を採用することは会社の成長のために推奨される。(ZUU online 編集部)