営業部門の生産性向上は業種を問わず各企業とも急務の状態

日本マイクロソフトが2014年に実施した「営業生産性向上を支援するIT活用の実態調査」の結果は、なかなか興味深いものがある。国内法人で従業員1,000人以上の東証1部上場企業などの社員1,261名を対象としたもので、業種の広がりもかなり多岐に及んでいる。

この回答において、実に77%が「もっとも重要な要素に対してもITで提供できる基本的な機能の活用が十分にできていない」もしくは「もっとも重要な要素についてのみITの機能を活用している」状態であると答えており、営業社員自らIT活用度は低いとの認識を示しているのだ。これは同社が行っている2008年の調査結果からほとんど変わっていない。導入する側にどんなに成果が上がったとしても、現場自体がIT活用度の低さを感じているのはかなり大きな問題だ。

この調査によると、営業現場ではより高度な顧客情報の収集と分析を、回答者の38.5%が優先度の高いものとしている。実際には分析ツールを導入してもそれがうまく使いこなせていないことが、要因として考えられるだろう。これまでデータの分析は、社内の特定部門だけの業務であったかもしれない。しかし、これだけビッグデータが語られる時代になってきたのだから、各部門が自在にそのデータを使いこなし、部門間でのコラボレーションを実現することも急務になっている。


ボトムアップではない本質を追求した一気呵成の改革の必要性も

ホワイトカラーの生産性を向上させるという努力は、確かに並大抵のものではない。特に業務を行っている部門や部署が、自力でその向上に努めるといっても限界があることも事実だ。現業部門のみでボトムアップ的に施策を集めても、実現できない原因は様々であり、改革は進まないかもしれない。また営業行為については営業職自体が標準化を好まない傾向が強く、生産性向上のためにKPI(重要業績評価指標)を設定し、事実上内部で推進するだけでは難しいことも考えられる。したがって、直接的には利害のない外部勢力が一気呵成に改革を進めるといったように、大ナタを振るうことも視野に入れる必要があるといえよう。

いずれにしても、生産性の向上とは目先のコスト削減や人員のリストラが目的ではない。無駄な業務プロセスや複雑性をできるだけ排除して、シンプルなプロセスを標準化することにより、顧客により高い価値を提供することに集中することこそが本来の目的なのだ。この視点から、再度ホワイトカラーの生産性を見つめなおすことが重要だろう。(ZUU online 編集部)

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