サイバー攻撃,ソニー子会社,ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント,仮想決済

「ソニー子会社、サイバー攻撃により北朝鮮映画の『ザ・インタビュー』の公開中止を決定」。米国時間12月17日に発表されたこのニュースは、サイバー攻撃の怖さを世界に知らしめる格好の宣伝となった。

しかしソニーほどのグローバル企業に限らず、サイバー攻撃を受ける危険性はどの企業にもある。本稿ではサイバー攻撃に関する最新の動向を紹介していく。


SPEが受けたサイバー攻撃の概要

今回、ソニーの映画配給子会社(SPE:ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント)が受けたサイバー攻撃の概要は以下である。

11月24日:SPEがサイバー攻撃を受け、未公開の映画情報や経営者、俳優の給料等の極秘情報がネット上に流出。

12月16日:GOP(平和の守護者)と称する団体が犯行予告をソースコード投稿サイトに投稿。直後に映画館が「ザ・インタビュー」の上映中止を決定し、SPEも公開見直しを決定。

12月25日:米マイクロソフトとソニーのゲーム機向けコンテンツ市場で接続障害が発生。

主要メディは映画、「ザ・インタビュー」の公開中止とオバマ大統領声明を受け公開を再決定したことを大きく報道している。しかし実際には、ソニーはグループ全体でSPEとプレイステーションに対するサイバー攻撃を受け、被害も出ている。


日本企業へのサイバー攻撃も増加

米国企業だけではなく、日本企業へのサイバー攻撃の件数も増加している。2014年7月10日付け報告によると、2013年の不正アクセス件数は2,951件、前年比約2.4倍の伸びとなった。

特に、インターネットバンキングの不正送金は前年比約14倍の1,325件。インターネットショッピングの不正購入は前年比約4.1倍の911件あり、金融・決済機能にサイバー攻撃の重点が移っていることが伺われる。


今後は仮想決済のサイバー攻撃が要注意

インターネットセキュリティ企業・露カスパルスキー社は「2015年サイバー犯罪の予測」をレポートしている。

その報告によれば、銀行のネットワークに侵入して「オンラインバンキングシステムを操作して送金を実行」や「遠隔操作でATMにコマンドを送り現金を引き出し」といったサイバー犯罪、あるいはApple payに代表される仮想決済システムに対するサイバー攻撃が今後ますます増加すると予測している。

このレポートを受け、ある地方銀行では法人向けネットバンキングの取引限度額を下げるなどの対策を強化している。もはやサイバー攻撃は誰が被害者になっても不思議ではない、という前提で対策を立てるべき状況になったといえるだろう。

(ZUU online 編集部)

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