5月21日、米総合不動産サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は不動産に関する最新レポート「TOKYO : MOVING UP THE YIELD CURVE」を公表した。
アベノミクス効果により、活況を呈している日本の不動産市場だが、その中でも東京都心のコア不動産は売り物件が少なく、旺盛な需要が限られた供給をはるかに上回る状況になっている。
同レポートによると、「B・Cクラスのオフィス物件は東京で大きな比重を占めており、投資家にとって依然、ここに大きな投資機会がある」と述べられている。
『B・Cクラスのオフィス』については、テナントの多くが「日本の産業を支え、製造業や輸出主導部門のサプライチェーンにおいて不可欠な存在」である中小企業で占められており、「この大きなテナント群に基づいて投資をすることは理にかなったこと」であるとされている。
今後については、「2008年の金融危機の余波で中小企業も大きな影響を受け、空室率が高まりましたが、その後順調に回復しており、継続的に改善する」と予想。「賃料もより安定しており、現在は底から抜け出し、上昇に転じている」とした。
また、『リテール不動産(商業施設物件)』については、「賃料が金融危機以前の水準に戻り、収益が回復」しており、「拡大志向の多くの国際的なリテーラーにとって経済規模の大きい日本は、依然として高い優先順位にある」とした。
オフィス不動産と同様、都心部でのコアリテール不動産の売り物件は限られているなかで、「改装や既存テナントの入れ替えにより賃料上昇を図るといった物件の潜在的な価値を追求しようとする投資家にとっては地域的なサブマーケットにはまだ投資機会が残されている」と延べられている。
C&Wアジア太平洋地区キャピタルマーケッツ部門ヘッドのジョン・スティンソン氏は「海外投資家にとって引き続き日本はアジア太平洋地域随一の投資対象地域です。投資家はこの世界最大級の不動産市場において投資機会を求めており、良好で安定したマクロ経済指標を背景としたオフィス、リテール、物流の各セクターにわたる強いファンダメンタルにより2015年から2016年にかけて力強い取引量が持続するでしょう。」とコメントした。(ZUU online 編集部)
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