■個人向け債券のリスク~信用リスクについて~
個人向け債券は、信用リスクと利回りにおける判断が難しい投資でもあります。
万が一、
社債を発行している会社が倒産した場合は、元本の払い戻しや利息支払いが行われないことがある
からです。
しかし、専門の投資機関ならいざ知らず、個人投資家がどこまで信用リスクを判断できるのでしょうか?
ただでさえ、日本の経済界は不安定な状況にあります。表面上の利回りだけで、その企業がどんな状況にあるのか分析するのは、無謀だと言えるでしょう。
そういった
信用リスクに対する対策には、第三者機関による「格付け」を参考にしてください。
債券はほとんどの場合、利息や元本の支払い能力などを査定した格付けがされています。
もちろん、これは客観的に見たデータとは言え、確実性を保証するものではありません。
けれども、自分だけの経験や勘に頼るよりは、はるかにいいですよね。おそらく、一種の目安にはなるでしょう。
社債を購入した企業について、常に関心の目を向けることは、とても大切です。
ニュースだけでなく、株価の動向や同銘柄の経済状態、親企業の経営事情などを参考に、総合的な判断力が求められます。
■個人向け債券の今後の見通し
いくら小ロットだと言ったところで、個人が運用するには決して安くないのも確か。
しかし、個人向け債券は、まだまだ旬の投資対象です。
利回りも大きいため、資産を定期預金などに入れておくよりはよほどプラスになります。
個人向け債券のブームが落ち着いてきた今こそ、本当に買うべき社債や銘柄が、はっきりと見えてくるのではないでしょうか。
投資業界では、売買バブルが起きている状態では、リスクはそれほど発生しないと言われています。けれども、そのバブルが昨年までで終わってしまったため、今年や来年以降はよりシビアな見方で判断していく必要性があります。
まだまだ目の離せない、個人向け債券。今後も動向が非常に気になる投資対象だと言えるでしょう。
BY 高橋:フリーライター