5月29日、「ロボットタクシー」実現を目的とした、ディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> とZMPの合弁新会社設立に関する記者会見が開かれた。ZMPが研究開発を行っている自動運転技術を用いて、タクシーサービスを提供するというものだ。

ロボットタクシーが実現した場合、当然わきおこってくる疑問「タクシー業界はどうなるのか?」について、これからいくつかの観点で述べていきたい。


車線変更などの自動運転はすでに現実に

自動運転は、自動車が行う操作の複雑さやドライバーの関与により、そのレベルが米国のNHTSAにより分類されている。

レベル1は「加速・操舵・制動のいずれかを自動車が行う状態」、レベル2は「加速・操舵・制動のうち複数の操作を同時に自動車が行う状態」であり、レベル2まではすでに市販車に搭載されている。

安倍首相がシリコンバレーで訪問したことでも有名なテスラモーターズのModel Sは、周囲の車の流れに合わせてスピードを調整しながら、道路をカーブに沿って自動的に走るだけでなく、方向指示器をタップすると加減速やハンドル制御を行い、自動的に車線変更を行うこともできるのだ。同様の機能は、ダイムラーのメルセデス・ベンツやボルボでもすでに搭載されている。レベル1であればダイハツ工業 <7262> の軽自動車ですら搭載している。