④外国に出稼ぎに行く華僑たちの傾向

フィリピン経済は、出稼ぎ労働者からの送金が命綱といわれています。 英語教育が盛んで海外渡航に対して抵抗がないため、移住希望者も多いです。 今、香港の家庭で雇われているメイドはフィリピン人が多いといわれています。 実は 華僑たちも欧米やヨーロッパに子供を留学させたりするケースが増えてきていま す。 私の友人は、漢方医学を学びに上海中医薬大学に留学にきていました。その他、 日本や韓国で英語教師として働く人も多いです。
このことからフィリピン系は出稼ぎ、華僑は教育目的で外国に行く人が多い といえま す。 私の経験上、華僑は言葉や習慣が似ている中華圏に行く場合多いようです。

⑤タイ、マレーシア、フィリピン三か国の華僑の比較

前回から3回にわたって東南アジアの華僑を比較してきましたが、ここでまとめま す。
まず、おしなべて ビジネスの核となるマネージメントは華僑が、現場は華僑以外が担 当するという企業経営 においての特徴が共通点としてあげられます。
次に、 「現地事情に合わせた柔軟な発想転換」「中国をいつも心に留めておく」 「華僑ネットワークを築き上げ、そのなかでお金を上手に循環させていく」「子弟に 先行投資する」という華僑ならではの哲学を確立したからこそ今日の成功につなが った といえるでしょう。さらに、中国が目覚ましい発展を遂げてからはクライアント の心を掴みやすくするために中国語の習得に力を入れる華僑も増えてきました。

相違点としては、その他の国の華僑と比較して フィリピン華僑だけは中国色が薄く、 カソリックが多い ことがあげられるでしょうか。

最後に、 一度信頼したものは外国人であれ華僑であれ絶対に裏切らないという情 の深さと団結力の強さがビジネスのカギになっている と私は考えます。 東南アジアに進出される際に、私のコラムがお役に立てれば幸いです。

BY W.L:在日韓国人3世

photo credit: Jonathan Kos-Read via photopin cc