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■「代々が経営者一族」とは


日本国内には、創業100年以上の会社は約19,500社、200年以上は1,500社以上あります(C O SM O S2-帝国データバンク企業概要データベース2009年)。 こんなに多くの「息の長い会社」がある国は、世界的にもカナリ少ない方だそうです。

その会社の多くは、ご子息等が継いでこられている代々の経営者です。 私は思いました「こんなに長く続くなんて、なにか理由があるに違いない。」と。私が関わらせていただいた「代々の経営者一族」の方々は、ケーキ屋さん、和菓子店、薬局、不動産業、ラーメン店、材木店、スーパー、ガソリンスタンド、ディスカウントショップ、旅行会社、等々、様々な業種に分けられます。

よって、ここでお話する「代々が経営者一族」とは、三井グループやマクドナルドといった多国籍企業ではなく、長く、同じ地域で代々経営されており、その土地の活性化を担っておられ、その土地、またはその業界では知らぬ人はいない、といった会社の経営者を指しています。また、代々で受け継いでいく、という考えに基づけば、一代で富を築いた、いわゆる「叩き上げの社長」のことも指しておりません。


■代々の経営者一族


もちろん、この「代々の経営者一族」の経営者も十人十色です。
豪快な方、物静かな方、冗談が好きな方、少し気難しい方… しかし、大きく共通する点が1つあります。それは、この方々は皆、「信頼」を最重要視しておられる、という点です。
「ウチのお菓子と、全く同じ品質で、値段は向こうが安くても、今のところは、みんなウチのを買ってくれてます。 なぜなら、ウチのお菓子のほうが、家庭訪問にきた担任の先生が喜ばれるからです。 これが信頼だと思ってます。」(和菓子店チェーン3代目社長夫人)
成功した経営者の行動は、全て「信頼」を軸にしておられる、といっても過言ではありません。 それは、子供たちに対する教育でも同じことが言えることが多いのです。しかし、信頼に対する考え方においては、多国籍企業の社長であろうと、叩き上げの社長であろうと、大きな差異はないはずです。

では、「代々の経営者一族」の信頼に対する考え方、そしてそれに基づく教育に対する考え方は、他の社長たちとどう違うのでしょうか?


■教育


成功した経営者という方々は、教育に熱心な方々が多いです。
しかし、「代々の経営者一族」の経営者は、必ずしも私立や高い塾等に通わせているとは限りません。それどころか、あえて地元の小学校、中学校に通わせている経営者のほうが多いのです。本来は学校教育と家庭教育を別々に書く予定でしたが、お話を伺ううちに、この方々にとって、「学校教育は家庭教育の一部」である、ということが伝わってきました。

よって、ここでは、家庭教育を中心とした、学校を含む諸活動について書いていきます。

●地元のとのつながり
「私達のお客様は、地元の方々です。 だから、うちの子供たちは、大半の子供達が通う公立の中学校に行かせますし、おこずかいもウチは月1000円くらいです。 塾も、地元の友達と同じ塾に行かせています。 遠足のお菓子も安売り日を狙うように、子供達に言っています。」(地域のスーパーのチェーン店社長)

不要な贅沢をさせない、そして人にも見せない。 この繋がりと金銭感覚が、将来的にも地元のお客様からの信用を得ることにる、とお考えになっているのです。