GMが絶え間なく投資を行う理由とは

しかしながら、このように投資を絶え間なく行っている一番の理由は何だろうか。

それは、6月初旬に、フィアット・クライスラー・オートモービルズのセルジオ・マルキオンネCEOから送られた合併協議を拒否することに決めた、GMのメアリー・バーバラCEOの発言に見てとれる。彼女は、株主総会で、「焦点は他社でなく、自社に向けるべき」という主旨のことを述べた。また、GMは過去何年も内部統合を行ってきており、GMには規模があるから、その活用をすべきとも言っている。

対するフィアットのマルキオンネCEOは、株主還元を拡大するために、自動車業界は再編が必要、という考えだ。日本の自動車メーカーのいくつかも、似た考えを持っているのではないだろうか。

だが、GMは、効率化を進め、販売促進策を講じた方が自社の力を発揮できるという考えだ。だからこそ、内部に目を向けた投資活動が行われている。その甲斐があって、投資格付会社のフィッチが2012年の8月以降BB+にとどまっていたのを、BBB-へと1段階の格上げを行い、投資適格レベルに引き上げられた。すると、6月23日の終値は36.19ドルで終了し、年初来上昇率は3.8%に届いた。

CO2排出量を抑え、クリーンな新車の開発を他社に先駆けて行う必要があり、内部統制が第一だと考えるGMには、この先も内部への投資活動が活発になるだろう。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場したデロリアンDMC-12のように、インパクトがあって見た人の心を捉えて離さないような、それでいてGMの最先端技術を盛り込んだ、贅沢な新車の発表を期待している。(ZUU online 編集部)

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