非製造業の業況判断は6地域で改善、先行きは7地域で悪化
非製造業の業況判断DIは、全9地域中6地域(北海道、東北、関東甲信越、東海、近畿、中国)で改善し、3地域(北陸、四国、九州・沖縄)で悪化した。
訪日外国人旅行客によるインバウンド消費に加え、株高・原油安による消費者マインドの改善が、小売や宿泊・飲食サービスを中心に景況感改善に寄与したとみられる。景気ウォッチャー調査のコメント(小売)をみても、株高による資産効果や訪日外国人客の増加を景況感改善の理由に挙げる声が目立つ。
前回調査からの改善幅は、近畿(+4ポイント)が最も大きく、次いで北海道、東北(+3ポイント)が続いている。近畿では、宿泊・飲食サービス(+28ポイント)が大幅改善となったほか、小売(+9ポイント)がプラスに転じたことが景況感の押し上げ要因となった。
そのほか、北海道では宿泊・飲食サービス(+16ポイント)、物品賃貸(+15ポイント)が、東北では宿泊・飲食サービス(+16ポイント)、小売(+12ポイント)が大幅に改善した。
先行きについては、7地域(北海道、東北、北陸、関東甲信越、近畿、中国、九州・沖縄)で悪化することが見込まれる(横ばいは東海、四国)。業種別では、人手不足や人件費の高騰を主因として、建設業が多くの地域で悪化するとみられる。
また、個人消費は物価上昇に伴う実質賃金の低下などから弱めの動きが続いていることなどから、地方では小売などサービス業を中心に景況感の悪化が見込まれる。
岡圭佑
ニッセイ基礎研究所 経済研究部
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